派遣法改正2020年対応、注意すること~派遣業界の現状シリーズ(修正版)2020年2月

派遣法の改正⁉ 結局今回の派遣法改正で何が変わり、どんな影響があるの⁇

 

こんにちは!ナレッジルーム採用WEBマーケ コンサルタントです!

今回は、派遣法が改正⁉ どうなる今後の派遣業界でお話しさせて頂いている、「派遣法改正のまとめ」についてお話しさせて頂きます!しかし、このコラムを書いたのは2019年3月頃で今回(2020年3月6日)はっきりしてきましたので修正をさせていただきました。1年でかなり変わってきました。

2020年3月の派遣業界現状

派遣法改正1ヵ月前となり、法改正をよく理解している会社、まったくわかっていない、様々状態です。派遣業界にかかわるいろんな団体でも間違った認識で会員に情報を流し、各都道府県の労働局でも差がでているような話もききます。まして今は厚生労働省もコロナウィルスに騒動で大変な状態になり、業界全体に浸透させるのは厳しい現状ではないかと思います。

まずは「同一労働同一賃金」への理解が第一歩!そして同一労働同一賃金の「正社員待遇(賞与・退職金・定期昇給・その他福利厚生等)と非正規社員(契約社員・パート・アルバイト)の待遇差の問題に気付いているかが大きな分かれ道になっています。これが派遣先均等均衡方式の理解に直結してきます。

派遣を使っている企業も理解し始めている中で単価交渉が進んでいないケース、問題は適当にやっている派遣会社とバッティングした時に面倒になっているケースをききます。

いろんな団体で間違っている認識

地域指数は派遣元の住所で、内包はNGだと思いますが派遣法的にはOKですが労基的にはNGです、とくに気を付けてください、退職金は制度は6%必要などあちらこちらで、、統一がとれていません。

派遣法改正に関してのおさらい

まずは派遣元(派遣会社)は「派遣先均等均衡方式」か「労使協定方式」の選択です。主は「派遣先均等均衡方式」で副が「労使協定方式」です。併用は可能ですが根拠が必要です、職種・雇用形態・紹介予定派遣などの切り分けが必要です。

派遣先均等均衡方式
派遣先正社員との労働待遇を均等・均衡にして合わせること
労使協定方式
派遣元労働者の代表と派遣元会社が労使協定を結び国が決めた最低要件を満たしながら労働待遇を結ぶことです。

派遣先均等均衡方式とは

派遣先均等均衡方式は単純です、派遣先の同業務の正社員労働者待遇(収入・福利厚生・教育など)を提供してもらい、派遣スタッフ労働者待遇を同等以上にすることです。情報提供を「比較対象労働者の待遇等に関する情報提供」という形でもらうことです。正社員がいなければ契約社員・パートもOKです。

比較対象労働者の待遇等に関する情報提供(見本)

「比較対象労働者の待遇等に関する情報提供」偽りがあったらえらいことになり裁判になっても派遣労働者に対して支払い義務はまず派遣元会社にあり大変なことになるので確認(調べた方がよい)しておいた方がよい。

派遣先均等均衡方式での注意すること

派遣先からもらった労働者データと実際に派遣先が募集している求人票での違いがあった場合、かなりの問題が起こります。もらった労働者データでは賞与なし、退職金もなし、家族手当なしなど無無でも実際にはありであれば、最悪、過去に遡り支払う必要が出てきます、派遣先がどこまで払ってくれるかは疑問で派遣元が泣くことになるので最初の時点での就業規則の整備・過半数代表の選出をきっちりしてもらうべきです。

労使協定方式とは

派遣労働者を含む過半数代表者社員もしくは労働組合と労使協定を結び労働待遇を決めることです。ただし、賃金に関しては一般労働者賃金水準(国の指定する統計)同等以上である必要があり、かつ派遣スタッフの能力・成果が上がったら賃金も上げる「賃金テーブル表」「評価制度」を作っておかなければなりません。

賃金以外の待遇は派遣元会社の内勤社員と均等・均衡を取らなければいけません。これを含んでいる労使協定にもとづいた労働契約を締結しなければいけません。

派遣先均等均衡方式と労使協定方式の簡単比較

方式 派遣先均等均衡方式 労使協定方式
賃金・手当・賞与等 派遣先の労働者に合わせる。派遣先に退職金・賞与・交通費があれば合わせる 一般労働者基準以上・統計を基準に比較。派遣元の内勤社員に合わせなくてもよい。
賃金以外の待遇 派遣先の労働者に合わせる。福利厚生などのすべての項目で派遣先労働者に合わせる必要がある。 派遣元の労働者に合わせる。福利厚生などのすべての項目で派遣先労働者に合わせる必要がある。

 

労使協定方式の派遣スタッフと内勤社員の待遇差に関してよくでる疑問が労使協定で退職金を出すからっといって内勤社員に退職金を出さないといけないわけではありません。これは交通費も・家族手当も同様です。派遣スタッフはハイリスク・ハイリターンの考えで優先される考え方です。慶弔見舞金や休暇は揃えないといけません。

労使協定の賃金テーブル表とは

毎年、職種別になっている賃金基準表が2つでてくる「賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金表」「職業安定業務統計の求人賃金を基準値表」これに地域指数をかけて職種別に作成する

労使協定の賃金テーブル(例)

〇〇〇〇スタッフ株式会社 江戸川オフィス 賃金テーブル

職種名:看護師 地域:東京都 (地域指数114.1%)職業安定業務統計と比較

ランク 派遣法年相当 職務の内容 基本給 賞与 時給計   一般賃金
Aランク 3年 勤務態度や勤怠などが模範的にでありかつリーダーを統括する責任者 1650円 300円 1950円 1917円
Bランク 2年 勤務態度や勤怠などが模範的にでありかつリーダー業務をする者 1600円 250円 1850円 1845円
Cランク 1年 勤務態度や勤怠などが模範的にでありかつサブリーダー業務をする者 1540円 150円 1690円 1687円
Dランク 0年 派遣先より指揮命令を受けて指示された業務を行う者 1460円 0 1460円 1454円

多くの会社が0年次から2年次でプラス3年か5年を入れた4段階が多い。その上のランクはなく。労使協定方式の派遣社員としてはここまででこれ以上は派遣先への直接雇用もしくは内勤へなど派遣社員としてのキャリアここまで。

統計に関しての注意事項

どちらの統計を使うかは労使協議により決めればOKであり、ここでは根拠は不要です。中分類・小分類に関しては細かく決めなくても実態に合わせて選択をするにしておいてもOKです。しかし、大分類を使うのは根拠が必要になってくるでしょう。

労使協定の注意事項

労使協定方式のキモは「派遣社員の労働者代表選出」になると思います(労働組合がある会社は別)ここを適当にやっていると労使協定自体が白紙になり、派遣先均等・均衡方式になり、派遣先比較労働者の情報がない状態で派遣したことになり=派遣法違反→みなし制度となるリスクがあることを理解してください。ここは厚生労働省も労働局も言っています。最大のポイントです

まとめ

派遣法改正を1か月にきり、間違い情報が飛び交う中で2020年4月1日から完璧にやっていくのはとても大変です。派遣法改正偏差値も低い会社も多々あり、どちらを選択しても書類・業務量が半端なく増えることが見えています。その上、消費税の増税・コロナウィルスショックで景気の見通しも悪く、悪化がどこまで進むかここ2年ぐらいは派遣会社にとって厳しい環境が予想されます。ピンチをチャンスに考え、有料人材紹介業・HRテック産業の進出など新しい柱を考える時かもしれません。派遣法改正は選択なのでどちらが自社の派遣に合うか深く検討して対応していきましょう。



 

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