求人ボックス vs indeed(インディード)vs スタンバイ

この記事は2021年7月に「求人ボックス vs Indeed」として投稿しました。しかし6ヵ月(2022年1月現在)経過で、アグリケーション求人サイト(複数サイトを読み込んでできている求人サイト)の仕様に変更がおきており、記事を現在のものにバージョンアップしました。

以前はindeedの1強でしたが、ここにきて求人ボックス・スタンバイを利用する人が増えてきています。前の記事では日本の3大求人まとめサイトindeed、求人ボックス、スタンバイ(Yahoo!しごと検索)のなかで勢いを感じる求人ボックスに焦点を合わせ、先行している求人まとめサイト代表のindeedと比較してみました。

今回、更新した記事では求人ボックスやindeedのアルゴリズムも変更されており、スタンバイについてもテレビCM・営業強化をされているのでスタンバイも含めた比較を説明します。
本記事は求人サイト・採用サイト運営側目線の記事となっております。indeed・求人ボックス・スタンバイの利用を考えている運営者は是非参考にしてください。

求人ボックスとは?

求人ボックスとは、2015年10月よりカカクコムが運営している求人専門の検索まとめサイト(特化型検索エンジン)で、indeedと同じようなサービスとしてスタートしました。いろいろな採用サイト・求人サイトをクローリングし、ユーザーが検索しやすいようにまとめています。

検索結果1ページ中に求人32件、求人広告10件が表示されるようになっています(2022年1月現在)。1ページ表示数は6ヵ月で12件アップしております。求人ボックスは職種・キーワード・地域などの求人検索結果ページに求人情報だけでなく職種に関連するキーワードによるリンク集や、類似のエリア、探している職種の基本情報まで掲載されており、日本人の細かいところを気にする性格にあった求人検索まとめサイトになっています。この6ヵ月でGoogleでの検索結果でindeedを順位的に超すところも増えています。

スタンバイとは?

スタンバイもアグリケーション求人サイトで2015年にリリースされた「特化型の検索エンジン」です。ヤフー株式会社・LINE株式会社などを傘下に収めるZホールディングス株式会社と、最近上場した『ビズリーチ』を運営する株式会社ビズリーチが共同で設立した、「株式会社スタンバイ」が運営しています。

スタート時点は100%ビズリーチのサービスとしてスタート。現在(2022年1月)、掲載されている求人が約1500万件になっており、求人のダブつき、いわゆる同じ求人が掲載されており、スタンバイ内ではこの求人をindeed・求人ボックスなみの700万程度に減らそうと考えております。Googleの検索結果いわゆるSEOでは求人ボックスに水をあけられています。また、一時はYahoo内では「Yahooしごと検索」というサービス名で運用していましたがスタンバイに統一したことにより、使っている感じで少しユーザーが減ったような気がします。(スポンサー広告を使うユーザー目線で)

求人ボックス・indeed・スタンバイの違い

まず、求人ボックスとindeedの大きな違いはユーザー数です。indeedの方が圧倒的に多く、求人ボックスが700万人(月間)に対してindeedは2000万人、約2.9倍です。スタンバイは正確なユーザー数は公表されていないため、不明です。

それならば、自社運営の求人・採用サイトの広告はindeedへ出すべきです。 しかし、indeedへ広告を出しても思うように求職者を獲得できない企業が増えてきています。
indeedへ広告配信する企業が増え、求職者獲得競争が激しくなり、indeed内で求人を表示させるのが難しくなっていることが大きな理由です。
また、表示されるアルゴリズムの変化も関係しています。indeedはここ1年ほど、頻繁にアルゴリズムを変えてきていますと書きましたが実は求人ボックスも昨年の10月に表示するアルゴリズムを大きく変えております。これが求人ボックスの広告によるCPAに大きな影響を与えました。

ここ1年の求人ボックスから感じるのはコンテンツの充実です。地域の情報、職種の平均収入など、求人を探している人にとってメリットがある情報を検索しやすいように作っています。とても日本人に好まれる感じがします。これがSEO的に職種キーワードによりますが一部、indeedを上回る要因の一つになっています。表示に関して1ページに表示される求人数も増え、広告割合も増えています。一番大きな変更は求人ボックスの課金タイミングです。詳細は下の「課金のタイミング」をご覧ください。

また、indeedは「まとめ求人サイト」から「広告求人サイト」側に寄ってきているように感じます。
情報量が増え、indeed内で表示がダブってきていることも強く感じます。求人がダブった時は、直接投稿の直接応募求人が1番優先的に表示されます(直接応募求人とは企業が自社の社員・パートを募集している求人。いわゆる紹介・派遣・広告ではない求人)。
「広告求人サイト側に寄った」と感じるのは、新規求人広告サイトの有料広告をほとんど受けないようになってきているからです。求人広告サイトとはタウンワーク、バイトル、アイデムなど広告だけが掲載されている求人サイトです。求職者をindeedの外にはなるべく出さず、indeed内で完結するようになってきていることを感じます。
今は「スタンバイ」「求人ボックス」にはそのような制限が見られません。もしかすると、いずれは「スタンバイ」「求人ボックス」もいずれそのようになるかもしれません。

課金のタイミング

indeedの場合

課金のタイミングは3サイトともクリックによる課金です。しかし、クリック後については違いがあります。
indeedではクリック後、indeed内に求人詳細が表示され、「応募先へ進む」ボタンをクリックすると対象の求人サイトへ飛ぶようになっています。
広告クリックから対象求人サイトへのアクセスは1%から5%です。つまりワンクリック100円で100人からクリックされたとして、10,000円で1人から5人の訪問者が見込めます。

求人ボックスの場合

求人ボックスもクリック課金制は同じです。この部分が大きく変わった部分です。しかし、2021年10月以前はクリック後、求人ボックス内で求人が表示されず、元の求人サイトへ飛んでいました。しかし2021年10月からスマホだけ、indeedと同様にクリック後、求人ボックス内で求人の詳細が表示され、課金されるようになってしまいました。
PCは従来通りでPCのCPAを考えると、indeedと比べて大変低コストで運用できます。100人からクリックされれば、100人の訪問者が見込めます。indeedの20倍から100倍の計算になります。
しかし、ユーザーの95%はスマホユーザーであり、PCはライバル業者などのユーザーが多く、サイト訪問者が必ず応募するわけでなくCPA(応募単価)の高騰になりました。求人ボックスで求人を閲覧した上で掲載元サイトへ進んでくれる求職者はやはり応募率が高くなります。広告を効果的に利用するにはGoogleのアナリティクスをいれてしっかり管理し運用することがとても大切になってきています。

スタンバイの場合

スタンバイの有料広告課金されるタイミングですが求人をクリックされた時点で課金されますがクリック後、スポンサーの求人サイトが表示されます。2021年10月に求人ボックスが求人ボックス内での表示課金になり、日本三大アグリケーション求人サイトの中ではスタンバイだけがクリック(課金)と同時に掲載元の求人サイトを表示して掲載元の求人サイトの訪問者を増やすことのできるメリットを持っています。これはやり方によってはindeed・求人ボックスよりも、CPA(応募単価)を抑えることができます。

広告を取り込ませる方法

広告を利用するために求人サイトの求人を取りこませなければなりません。方法は大きく2種類、クローリング方式とXMLフィード方式になります。

indeedの取り込ませ方式

indeedから正式に発表されてはいませんが、XMLフィードの利用に関しては様々な制限があります。ここ最近はXMLフィードの利用条件が緩くなってきています。2年前までは求人件数が2万件以上、運用金額がある程度高額であることなどです。しかし、代理店によっては制限なく使えるという噂もあり、はっきりしていません。初めて始める方はほとんどがクローリング方式だと思っていて間違いないと思います。

求人ボックス・スタンバイの取り込ませ方式

求人ボックスではクローリング方式、XMLフィード方式を利用側で選択できます。
おすすめはXMLフィード方式です。XMLフィード連携を行うことでクローリング連携に比べ更新頻度を高めることができ、より効果的な配信が可能となります。XMLフィード連携することによりクローリングよりも柔軟な使い方ができます。XMLフィードはルールがありますし、設定についても変わってきます。求人サイトなどについていると便利です。

注意事項として、オーガニック枠への掲載にXMLフィードを利用することはできませんが、XMLフィード情報の一部がオーガニック枠に利用されるケースもあります。
XMLフィードを上手に利用するためには求人サイト側に優れた機能が必要になってくるので、求人サイト制作時に、XMLフィードに対応しているか、キャンペーン分けなどができるか確認をするべきです。
XMLフィードは今後多くの求人検索エンジンなどで利用できるようになるので、複数利用できる仕様にしておくことがベストです。

まとめ

コスト的にはスタンバイが有利になりますが、応募人数を確保できるかが大きな問題になります。応募単価を抑えたり、人数を確保するためには求人数が左右します。以前、求人ボックスが今の形に変わる前にエリア、職種などを絞った求人サイトで人数を獲得するためにクリック単価を1000円で2日間実験したことがありますが、2件のコンバージョンで32万、1登録16万かかったテスト結果が出たことあります。求職者ユーザーの少ないところではいくら入札単価をあげても、また広告クリック後、掲載元に来ても割高になることもあります。

このことからたくさんの応募を獲得したいのであればindeed、スタンバイ、求人ボックスなどを全部使いながらPDCAを回し、エリア・職種による傾向をつかみ、応募単価を下げる努力をしなければなりません。
ただ、すぐに応募につながらなくてもクリックが増えていけば、Googleのオーガニックで良い評価につながります。訪問者を増やしリマーケティング広告などで再度、求人に興味や転職意欲がある見込度の高いユーザーへ再アプローチすることで、コンバージョンにつなげるような手法もとれるので、スタンバイにはindeed・求人ボックスにはない魅力があります。

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