人材紹介事業、求職者を集める4つの大事な方法

人材紹介の免許を取得されたが、求職者が集まらなくてお困りの方へ、私が人材紹介会社をゼロから起業し、WEBマーケティングの経験を生かして18年間築き上げてきた「求職者を効果的に集める方法」について記事にまとめました。

現在、様々な業界で人手不足が問題となっており、求職者を集めることができれば、成功へ大きく一歩近づくこととなるでしょう。本記事が皆様の参考となり、助けになれば幸いです。

職種によって使うサービスを分ける

職種にはいろんなものがあります。それぞれの職種には、必要なスキルや収入が違っています。だから、人々の生活やニーズも異なっており、だからこそ、求人広告やスカウトサービスの選び方や効果を考えると、人の集める方法はそれぞれに合わせて考える必要があります。

求職者を集めるためのサービスは多岐にわたります。求職者の職種によって、最適な集客サービスは異なります。ブルーカラー、ホワイトカラー、ライセンス職など、職種の違いにより、適切な媒体も変わりますので、各職種にマッチしたサービスを利用しましょう。

スカウトサービスでの集客

多くの大手人材サービス企業が、求職者のデータベースへのアクセスを可能にするスカウトサービスを提供しています。リクルート、マイナビ、DODA、エンなどの有名企業もこの中に含まれます。

これらの人材サービスは、自社サービスで収集した求職者情報をまずは自社のサービスのために利用。その後、その情報をデータベースとして整理し、異なる方法でのマネタイズを図っています。

具体的には、企業が求職者に直接スカウトをかけるためのサービスや、人材紹介を目的とするサービスなどがあります。料金に関しては月額10万から20万にプラス採用時に30%前後の採用課金料金のものが多いようです。

また、企業が求職情報媒体に広告を掲載する際、オプションとしてスカウトメールの料金が比較的低料金で提供されることもあります。

スカウトメール成功の秘訣

スカウトメールでの成功の秘訣は、みんなに送っている感を出さないことです。みんなに送っている感を出すと返信率はかなり低くなります。

大手に登録をされている求職者には様々な企業からスカウトがきます。1日平均50件とも言われています。

その中でみんなに送っているようなコピペスカウトメールに関心もわかないし、返信ももらえません。まずは手打ちスカウトにチャレンジしましょう。

①スカウトメールを打つ際のコツ

どのように、1通1通カスタマイズすれば良いのでしょうか?

文章全部を手打ちするのは現実的ではありません。
そこで、テンプレートのなるべく早い段階にカスタマイズした文章を入れていきます。

下のほうにカスタマイズした文章を入れても、そこまで読んでくれるとは限らないからです。
1日に何通もスカウトメールを受け取っている方は、「これもコピペだな」と感じるとすぐにメールを閉じてしまいます。

求職者プロフィールをしっかり確認し、求職者の気持ちに沿って「簡単な自己紹介」「自身の強み」「なぜ、スカウトしたか」などをカスタマイズします。その際は必ず、求職者の経験や希望に合わせた文章を作りましょう。

②具体的なスカウトカスタマイズ

経験・実績に沿った文章を入れる。これは営業であれば傾聴にあたります。

また、相手の経験・実績を文章に入れてほめてあげる。ほめてあげるような文章を入れてあげれば、良い印象を与えられ下まで読んでもらえます。

「〇〇社にて営業をされてきたのですね。とても素晴らしい経験ですね」
「〇〇年に〇〇の表彰を受けるなどのご実績を拝見しました。とても素晴らしいですね」
「特に〇〇社では、〜を顧客としたご経験の方を優遇され積極採用しております」
「〇〇様において知見やご経験を新たに積むことのできる環境で将来的に〇〇へのステップ」

などが求職者に沿ったカスタマイズ例です。

また、未来にフォーカスした内容を入れつつ、「キャリアの要約」をして、わざわざ打ち込まないと出てこないキーワードを入れるのがコツです。

③高学歴、経験豊富、優秀な方へのスカウトメール

スカウトメールを高学歴や経験豊富な方、優秀な方に対して送る場合、彼らの注目は「転職で得られる未来のキャリア」に集まることが多いです。

特に、優秀な個人は未来のキャリアに関する魅力的な提案や価値ある情報を求めており、自身が描いている未来に近い、価値のある情報が得られるかどうかをみている傾向があります。

スカウトを送る際には以下のポイントに注目して情報提供を行うと良いでしょう。

  • 提供されるキャリアの展望や将来の成長機会。
  • 募集しているポジションの具体的なミッションや責任範囲。
  • 短期的な業務内容だけでなく、中長期的なキャリアパスの説明。
  • 企業の文化やポジションの詳細。

また、働き方に関する特徴も強調することで、反応率を上げることが期待できます。

ワークライフバランスや残業時間、リモートワークの割合、フレックスタイム制度など、柔軟な働き方を支援する制度や環境があれば、それもアピールポイントとして加えてみると返信率が上がります。

④スカウトのテンプレの作り方

スカウトのテンプレを作るのに困っていませんか?

  • 何をアピールすればいいかわからない
  • 話すのはできるが文章にして大丈夫?言葉の使い方間違っていない?
  • スカウトメールの構成もよくわからない
  • アイデアが出てこない、どのようにつかったらいいのかわからない、自信がない、、、
  • だいぶ前に作ったがとても大変で、それから作っていない
  • 返信率はよかったけど、最近はさっぱり戻りがない、だけど面倒で何も変えられていない

①あまりおすすめはできないのですが、採用したい候補者(ペルソナ)に近い社員に仮名で色んなサービスに登録をしてみる。スカウトがたくさん来るのでその中で実際にいいと思った内容を抽出して、自社に合わせてカスタマイズする。この方式であればたくさんのテンプレを作ることができます。

②面談で話している内容をスカウト文面に落とす。口語っぽいニュアンスになるため、テンプレ感がなくなります。また求職者に刺さったなという内容を作っていけば、テンプレパターンを量産できる。特に営業力があり、成績の良い社員のものを使うと良いテンプレができます。

求人媒体に掲載してPDCAを回す

求人媒体へ掲載していく集客方法です。求人媒体に掲載費用を支払い、原稿を作り、応募を待つだけになります。スカウトメールや自社求人サイトを制作するよりは手間をかけずにできます。
しかし、ある程度の費用がかかるデメリットがあります。求人媒体もクリック課金制か掲載課金、応募課金など様々です。

しかし、これは掲載してみないと実際の応募単価がわかりません。そして応募からの成約率も大変大事になります。応募がゴールではなく成約がゴールですので注意が必要です。これは応募者の質に関係します。

ある程度の費用をかけて求人媒体の選択及び求人原稿の見直し(PDCA)をおこなわなければなりません。

しかし、一度求人媒体と原稿の集客の勝ちパターンを見つけてしまえば、無駄な求人媒体を止め、低コストで安定的に集客を見込めるようになります。

ただ、この勝ちパターンは永遠に続くとは考えない方が良いでしょう。必ず、同じパターンで集客ができなくなります。このサイクルが昔は長かったのですが最近はとても短くなってきています。

求人媒体に出す求人は良い募集条件のものでなければうまくいきません。募集条件の悪い求人をいくら、高い掲載料金(目立つようにしても)応募につながりません。

良い募集条件でたくさんの集客をおこない、スキルが足らない人材はスキルにあった企業へ振り替える技術営業トークが必要になります。

LP(ランディングページ)を使いリスティング広告で集客

ランディングページ(LP)は、エージェントの実績や転職相談のメリットを掲載し、転職相談の申し込みを促すためのWEBページです。

ただし、LPの作成だけで終わりではありません。訪問者が「相談する」という行動をとるためのコンバージョンレート(CVR)を向上させるための改善活動(PDCAサイクル)を定期的に行う必要があります。

昔のLPは、エージェント・サービスの特徴などを詳細に記載して集客するスタイルが主流でしたが、最近のトレンドとしては、インパクトのあるキャッチフレーズ広告を使って、手軽に応募できる遷移できるデザインが増えています。このようなLPは、ページの改善よりも、さまざまな広告のパターンを作成して効果を見るアプローチが一般的となっています。

ランディングページ(LP)はスカウトメールに比べて手間が少なく、改善のサイクル(PDCA)をより短期間で回せる利点があります。通常の求人媒体の掲載期間は約2週間ですが、リスティング広告の場合、クリック課金制のためA/Bテストを行いやすいです。

また、リスティング広告には多数の広告パターンを設定でき、最もクリックされる広告パターンが表示されるように自動的に最適化されます。これにより、LPの効果を簡単に測定することが可能です。

ただし、LPの制作にはコストがかかることもあり、おおよそ15万円から30万円の範囲での出費を見込む必要があります。もし自社で制作・ホスティングが可能であれば、サーバー代のみの経費で運用できます。


広告の初期予算としては、約10万円からのスタートがおすすめです。主な広告手段としてはSNSやリスティング広告が考えられます。ただし、ターゲットの属性によって、最適な広告の場所やメッセージが変わりますので、常に検証と改善のサイクルを持つことが重要です。

リスティング広告に関しては、GoogleやYahoo、さらにInstagramやFacebookが主なプラットフォームとして挙げられます。これらのチャンネルを活用して、ターゲットに合わせた効果的な広告戦略を考えることが求められます。

継続的な改善を行い、成功の方向性を見つけることができれば、他社のサービスを利用するよりもはるかに低コストで、他社と競合しない求職者を安定的に獲得する手段として魅力的です。

自社制作の求人サイトで集客

自社でサーバーを借りて自社だけで制作するには難易度が非常に高くなります。今はパッケージになっているCMS型のサービスなどもありますのでそのようなサービスを利用しながら制作することをおすすめします。

自社運営の求人サイトができれば、indeedやGoogleしごと検索などのアグリケーション求人サイトに登録を行うことにより、無料で求職者の獲得ができるようになります。

しかし、求職者が不足しているような医療系や保育・ドライバーなどはやはり無料だけで求職者を集めてくるのは難易度が高く、有料の広告を使うことをおすすめします。

有料広告についてはindeed、スタンバイ、求人ボックス、Google・Yahooのリスティング広告がおすすめです。

有料広告は他にも色々ありますが、集めたい求職者の属性を考え相性の良いものを利用しましょう。自社運営の求人サイトの運営をしっかりおこなって行けば、毎月の広告費がただの経費だけでは終らず、将来的な投資にもなります。

求人サイトの利用者が増えていけば、当然、無料で求職者を集めることができます。
また、採用をされている企業から広告掲載料金を取るビジネスなども展開できます。

求人サイト制作の実績がある制作会社に任せる

求人サイト制作を専門におこなっている会社に任せることをおすすめしましたが、IT・WEBの知識があるスタッフを抱えている会社でWordPress(ワードプレス)などで求人サイトを作ることもできます。

WordPress(ワードプレス)は無料でPHPというプログラミング言語で作られているCMS(コンテンツマネジメントシステム)の一種で、PHPの使えるサーバーであれば無料でインストールする事ができ、ブログやWebサイトを作る事ができる CMSです。

しかし、費用的に節約はできますが、アグリゲーション求人サイト(Indeed・スタンバイ・求人ボックス)との連携やセキュリティの問題、SEOなど難易度の高い部分もあり、途中で断念をされる会社様も多くいますので、パッケージになっている会社で安く作ることをおすすめしています。

また、WEBサイトの制作会社でも求人サイトの実績のない会社も多く、高額の料金で作っても使い物にならないサイトで後で後悔したような話もたくさん聞きます。

まずは制作だけでなく運用経験や広告運用などの実績も持っている会社にお任せしたほうが良いと思います。ベストは人材紹介や派遣事業を求人サイトを使ってやってきたような経験があると最高です。

求人サイト運営を考えるのであればSEO対策が必須

求人サイトを制作し運営していくには「SEO対策」が必要になります。求人サイトは広告だけでなくオーガニック(検索エンジンから自然に流入するもしくは無料)での流入が価値を上げます。

オーガニック流入を増やすにはマーケティング要素を考えたSEO対策が必須になります。
求人サイトのSEO対策はまずWEBサイトのSEO対策を基本として学習する事をおすすめします。また、ロングテールSEOを狙っておこなう事をおすすめします。

ロングテールSEOとは

ロングテールSEOは、2つ以上の単語から成るキーワード(複合キーワードやテールワードとも称される)を中心に、ユーザーが検索する情報をウェブサイトに取り入れ、集客を促進するSEOの戦略です。

このアプローチでは、1つのキーワードでの集客は限られるものの、競合する他のコンテンツが少ないのが特長。

各キーワードに対応した内容をページとして作成することで、安定したトラフィックを獲得することが期待できますが、その結果としてウェブサイトのページ数が増加する傾向があります。

WEBページのタイトルにキーワードを挿入

求人サイトのSEO対策ではページタイトルに検索キーワードを前の方に使いましょう。タイトルの文字数は30文字以内で長くても38文字以内にしましょう。

理由は38文字になるとスマホでもPCでも省略される可能性があるからです。

30文字以内であればスマホでもPCでも省略されることはありません。33文字から36文字ではスマホは省略されませんがPCでは省略されることがあります。

meta descriptionを安易に付けない

「meta description」はWEBページの要約です。Googleは1ページ1テーマを重要にしていますので完全に同じdescriptionを付けるのはNGです。

また、descriptionの中には無理に検索キーワードを入れる必要もありません。これはdescriptionは検索結果には直接的には影響ないからです。しかし、あくまでも「直接的」で、間接的には影響はあります。

理由はクリック率、トラフィックに関係してきます。 descriptionはタイトルの下に出てくる要約(説明文)検索側はタイトル・要約をチラ見してクリックします。

また、クリック率に影響があるからといって内容のまったく違う descriptionを付けると表示されてからすぐに去ってしまいます。

WEBページの内容に沿ってわかりやすい検索側の思考を把握しながら適切な言葉を使い設定していきましょう。

また、文字数に関しては制限がありませんが表示には下記のような制限があります。

●PC:130文字前後
●スマホ:70文字前後

なるべく、スマホに合わせるようにして重要なことは早めに出るように文章を構成してください。

少額でも良いので有料広告で連携をしましょう

求人サイトを作るだけでは求職者を集めることはできません。アグリゲーション求人サイトとの連携をおこないましょう。

無料の申請もできますが新規の人材紹介・派遣会社・求人媒体では審査が厳しくなってきています。

作成した求人サイトに掲載されている求人内容にもよりますが、無料だけの申請は時間もかかるし、掲載できるかはっきりわかりません。

であれば使う金額はさておき、まずは有料を使うということで審査を進めればスピーディに連携をしてまらえます。

また、求人サイト作成をお願いする時にアグリゲーション求人サイトの代理店をおこなっている制作会社もありますのでそのような会社にお願いすればスムーズに求職者を集める事ができると思います。

検索流入と信頼を高めるオウンドメディア集客

オウンドメディアを活用した集客法を考えると、Googleの検索行動は大きな力となります。これは、一般的に「SEO対策」として知られています。具体的には、ターゲットとなる層が検索するキーワードを特定し、それに関連する内容の記事を作成して、転職相談への誘導を図る方法です。

たとえば、保育士職を対象とする場合、「保育士 転職理由」というキーワードを検索するユーザーが一定数存在するでしょう。このキーワードで検索したユーザーを自社メディアに導き、最終的には面談へとつなげるのです。

この手法の特長は、ユーザーが自然に自社を知ることができる点、そして広告のような継続的な費用が不要である点です。

自社で記事を作成すれば、その後は長期間にわたり無料で集客する可能性があります。ここでは詳細なSEOのテクニックには触れませんが、良質な記事は長期間にわたって検索結果に表示され、持続的な集客効果を発揮します。

また、記事に対して納得感や記事によって不明感が払拭されれば会社に対して信頼感が高まります。

これは実際、当社でオウンドメディアを見た方と見ない方の登録率は100倍ほど違いがある事もありました。手間がかかり、時間もかかりますが是非行うことをおすすめします。

まとめ

求職者の獲得方法は多様ですが、目指す求職者の数や取り扱う職種によって、その適合性は異なります。

独立して起業を志す方々の増加に伴い、人材紹介業での求職者の獲得は次第に厳しい状況へと移行しています。

多くの方は有料のスカウトサービスの利用を検討されるかもしれませんが、一人あたりの応募コストが高騰するため、成功への鍵は営業力にあると考えられます。

GoogleやIndeed、スタンバイ、求人ボックスといったアグリゲーション求人サイトの影響力が増しています。これらを利用せずに求職者を獲得するのは難易度が高いため、上手くこれらのサイトを活用し、一人一人丁寧に求職者を集めていくアプローチが、今後、人手不足が更に進む日本の状況では必要とされてきます。

人材紹介ビジネスコンサルティング
求人サイト制作で失敗しないために知っておきたいこと