派遣法改正概要とは⁉ 派遣会社の半分が倒産してしまうって本当⁇
こんにちは!ナレッジルーム採用WEBマーケ コンサルタント 石井です!2019年12月も過ぎ、不明だった部分が明確になってきたので2019年1月の記事を変更しました。(2019年12月現在)
今回は、多くの派遣会社の経営に関わる、「派遣法改正の概要」についてお話しさせて頂きます!
派遣法改正の概要として、
「働き方改革実行計画」に基づき、同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間にある不合理な待遇差の実効ある是正を図る。
と記述されています。
これだけではどんな影響があるか分からないですよね、、、
具体的には、
①不合理な待遇差を解消するための規定の整備
・短時間、有期雇用労働者に関する同一企業内における”正規雇用労働者との不合理な待遇の禁止”に関し、”個々の待遇ごとに当該待遇の性質、目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化”
・”有期雇用労働者について”、正規雇用労働者と職務内容、職務内容・配置の変更範囲が同一である場合の”均等待遇の確保を義務化”
・”派遣労働者について、派遣先の労働者との均衡・均衡待遇、一定の要件(同種業務の一般の労働者の平均的な賃金と同等以上の賃金であること等)を満たす労使協定による待遇のいずれかを確保することを義務化
②労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
・短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、正規雇用労働者との”待遇差の内容・理由等に関する説明を義務化”
③行政による履行確保措置及び裁判外紛争解決手続(行政ADR)の整備
・①の義務化や②の説明義務について、”行政による履行確保措置及び行政ADRを整備”
となっています!
これにより、
・派遣先均等均衡方式
・労使協定方式
こちらの2パターンが出てきます!
一つ目の、「派遣先均等均衡方式」について、
派遣先の賃金により賃金が上下する。
条件として、派遣先賃金の確認の義務化。
二つ目の、「労使協定方式」について、
派遣元の人事制度により賃金を決定し、派遣先のお賃金や派遣単価に連動しない。マージン率は一定ではなくなる。
条件として、
・同業種の賃金水準以上
・派遣元内に賃金評価制度
・内勤と賃金以外で格差が無い
・労働者過半数代表と労使協定
となります。
具体的に「派派遣先均等均衡方式」について説明すると、、、
派遣先の労働者との均衡・均衡方式
①派遣労働者と派遣先労働者の待遇差について、短時間労働者・有期契約労働者と同様の均等待遇規定・均衡待遇規定を設けたうえで、当該規定によることとすること。
②派遣元事業主が①の規定に基づく義務を履行出来るよう、派遣先に対し、派遣先の労働者の賃金等の知遇に関する情報提供義務を課す(提供した情報に変更があった場合も同様)とともに、派遣元事業主は、派遣先からの情報提供がない場合は、労働者派遣契約を締結してはならないとすること(なお、派遣先からの情報は派遣元事業主等の秘密保持義務規定の対象となることを明確化すること)
とあります。
つまり、、、
”派遣先との均衡 派遣先の賃金確認が努力義務から義務”へ変わるのです!
派遣先が同様の業務内容で同様の責任範囲である場合に(転勤無しの限定正社員と転勤無しの非正規社員・契約社員・パート)全ての派遣先に引っ張られる。
その結果、派遣社員は有期・無期に関係なく均衡になるのです!
次に、昇給について、
昇給であって、労働者の勤続による能力の向上に応じて行うものについて、”通常の労働者と同様に勤続による能力が向上した短時間・有期雇用労働者には、勤続による能力の向上に応じた部分につき、通常の労働者と同一の昇給を行わなければならない”
→今後の流れとして、正社員(無限定社員)と限定正社員のみを残し、非正規ゾーンの運用をなくす可能性も出てきます!
現行法では、
派遣先、非正規社員(契約社員・パート)※転勤無し、責任小
↕ 賃金の均衡
派遣社員(有期・無期関係なく)※転勤無し、責任小
↕ 待遇・福利厚生の均衡
派遣元内勤(派遣会社正社員など)※営業、間接など
法改正後は、
派遣先(通常の労働者、限定社員)※転勤無し、責任小
派遣先(非正規社員、契約社員・パート)※転勤無し、責任小
↕ 賃金・待遇・福利厚生の均衡
派遣社員(有期・無期関係なく)※転勤無し、責任小
となります!
早めに準備しておかないと、後々労働者と派遣会社、派遣先でトラブルになるケースも出てくるようです、、、
「派遣先均等均衡方式」についてまとめると、、、
①派遣契約前に”派遣先労働者情報”が書面で必須
②その書面は派遣終了後3年間保管義務(派遣元も派遣先も)
③待遇に変更があった場合はその都度書面で交付
④書面で必要な情報は、
・比較労働者の職務内容、配置変更の範囲、雇用形態
・比較労働者として選定した理由
・賃金、昇給、賞与、時間外割増率、交通費などの待遇
・その待遇としている目的
・職務内容や配置変更の範囲などからどのような配慮があって、その待遇となったのか など
※比較する対象の基本は「通常の労働者」
基本給に関して、
⑤転勤の有無で給与に差があるのはOK
⑥本社採用で研修で来ている社員と差があるのはOK
⑦作業は同じでも責任が重く査定に影響がある場合は差があってもOK
⑧勤続年数ですべての社員においてベースアップ、定期昇給をしている派遣先においては派遣社員も同様に昇給
⑨成果給を全ての社員に対して実施している場合は派遣社員にもどうようの成果給を支払う必要がある
⑩派遣先に雇用される正社員と派遣社員の間に給与や賞与、各種手当等に差がある場合に
”派遣労働者に対する派遣元事業主の将来の役割期待は派遣先に雇用される正社員に対する派遣先の将来の役割期待と異なるため賃金の決定基準、ル―ルが違う”
等の主観的または抽象的な説明ではNGとなる。
業務内容や責任範疇、配置転換の範囲などを考案して、適切な差でなければ認められない。
つまり、派遣先均等均衡方式の派遣社員は派遣先の準雇用になります!
その他、派遣先に合わせなければならない事として、
①賃金(同じ業務、同じ責任、同じ配置範囲)
②交通費
③諸手当(皆勤、深夜、資格、交代勤務など)
④賞与
⑤役職手当(同じ役職で同じ責任である場合など)
⑥食事補助手当など
⑦社宅、慶弔休暇、健診、有給のルールなど
⑧時間外割増率
「派遣先均等均衡方式」を一言で表すと、、、
”派遣先均等均衡方式=限りなく派遣先社員”
ということになります!
時期が来てから対応すればいっか!
それではでは間に合いません。
出来ることから着実に準備していくことが重要です!
次回は、知らないと今後労働者とトラブルになってしまうかもしれない、
「労使協定方式」についてお話しさせて頂きます!
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました!
※2020年2月に派遣法改正対応に関してまとめた記事です(参考記事)