このコラムは2018年8月に作成されましたが、採用をめぐる環境は大きく様変わりしています。
今や、獲得したい人材の争奪戦は熾烈を極めていると言えるでしょう。
確実に成果を出すためには、
改めて体系的なプロセスを確認し、最新のトレンドを押さえることが求められています。
本コラムでは、採用活動の本質から実践のステップ、そして今こそ知っておくべき最新動向まで、
採用担当者の皆様にお役立ていただける内容をまとめました。
採用活動の本質:戦略的人材確保への第一歩
採用活動とは、単なる「人を雇う行為」ではなく、企業の将来を形作る戦略的プロジェクトです。計画立案から選考、入社後の定着支援までを一貫して設計し、経営戦略と人材戦略を連動させることが成功の鍵となります。その目的は、単なる人手補充を超え、「組織の変革と持続的成長を支える人材」を獲得することにあります。
現代の採用活動:2つの主要な道筋
1. 新卒採用:未来の戦力を育成する
政府が提示する指針に沿ったスケジュール管理が基本となります。近年は、早期から企業の価値観を発信し、学生との長期的な関係構築(リレーションシップ募集)に力を入れる企業が増えています。デジタルネイティブ世代へのアプローチとして、動画コンテンツやSNSを活用した双方向コミュニケーションが効果的です。
2. 中途採用:即戦力と新たな視点の獲得
通年採用が主流となり、スピードと質の両立がより重要視されています。特に、専門性の高い人材や管理職候補の獲得においては、能動的なアプローチ(ダイレクト・ソーシング)と、候補者体験(Candidate Experience)を重視した丁寧な選考プロセスの設計が差別化要因となります。
成功を導く6つの実践ステップ
STEP 1: 戦略策定 – 自社の「なぜ」を明確に
経営戦略と連動した採用戦略を立案します。内部分析(自社の強み・弱み)と外部分析(市場動向・競合)を行い、具体的な採用ターゲット(ペルソナ)を設定しましょう。ここで解像度が低いと、その後の全ての活動の効率が落ちます。
STEP 2: 計画立案 – 「誰を・いつ・何人・いくらで」
採用戦略を具体化し、「どの部署に、どのような人物像を、いつまでに、何人、どの予算で」採用するかを決定します。社内関係者との合意形成を早期に行い、リソースを確保することが計画遂行の前提です。
STEP 3: 手法選択 – 複数チャネルの最適な組み合わせ
一つの手法に依存せず、ターゲットに応じた手法を組み合わせる「マルチチャネルアプローチ」が標準です。求人媒体の特性(応募数と質の傾向)を理解し、選択することが重要です。
STEP 4: 広報と募集 – 魅力の「本質的」な伝達
募集要項は法律で定められた必須項目を正確に記載するのは当然として、「働く意味」と「成長の実感」 を伝えることが核心です。特にミレニアル世代以降は、社会的意義やキャリアパスの明確さを求めます。動画や従業員インタビューなど、多面的な情報発信が有効です。
STEP 5: 選考の実施 – 評価と意向醸成の両輪
選考は「企業が候補者を評価する場」であると同時に、「候補者が企業を選択する場」 でもあります。一貫性のある評価基準と、候補者が本社の魅力を実感できる双方向の対話を心がけましょう。デジタル面接ツールの活用も、選考速度の向上に寄与します。
STEP 6: フォローアップ – 採用決定はゴールではない
内定承諾後から入社日までの「空白期間」のフォローは、入社辞退を防ぎ、早期定着を促すために極めて重要です。社内SNSへの招待、先輩社員との交流会、事前学習プログラムの提供など、組織の一員としての帰属意識を醸成する取り組みが求められます。
今、注目すべき4つの最新トレンド
1. リファラル採用:質と定着率の高さで主流に
従業員紹介制度は、コスト効率が良く、文化への適合性が高い人材を獲得できる手法として定着。成功の鍵は、従業員への明確なインセンティブ設計と、紹介がしやすい会社環境の整備にあります。
2. SNS/コンテンツ採用:ブランディングとの一体型アプローチ
LinkedIn、Twitter、Instagram、さらにはWantedlyなどを活用し、企業の日常や価値観を「ストーリー」として発信。採用専用アカウントの運用や、社員が情報発信する「エンバシー・プログラム」を導入する企業が増加しています。
3. オウンドメディア採用:共感を呼ぶ深い情報発信
自社運営の採用特設サイトやブログで、企業の思想や働く人々の生の声を深掘りして伝えます。検索流入を期待したSEO対策記事も有効で、長期的な人材ブランディングとしての側面が強い手法です。
4. アルムナイ採用:知見と文化を理解した再雇用
元社員の再雇用は、即戦力性が高く、文化への適応が早いという利点があります。離職時から良好な関係を維持する「アルムナイ・ネットワーク」の構築が、将来的な人材の円滑な還流につながります。
採用担当者としての心構え
採用活動は、企業の未来を創る営みです。過去のデータ分析から課題を特定し、改善を繰り返す「PDCAサイクル」を回し続けることが、競争力を高めます。また、多様な採用手法は「銀の弾丸」ではなく、自社の状況とターゲットに合わせて適切に組み合わせるツールです。
変化の激しい時代において、固定観念に囚われず、新しい手法に挑戦し、候補者と誠実に向き合う姿勢こそが、優れた人材を惹きつける最大の魅力となることを忘れないでください。
採用活動の成功は、社内のあらゆるステークホルダーと協力して初めて実現します。本記事が、皆様の日々のご活動の一助となれば幸いです。

















