これは単純にChatGPTのような生成AIを使って求人原稿を書いてくれる機能ではありません。
Indeedが持っている求職者の行動データや、類似する他社求人の情報、実際に掲載している求人の効果などをAIが分析し、「この求人はどこを改善したほうがよいのか」まで提案するサービスです。
これまで採用担当者やIndeed広告代理店が経験やデータをもとに行ってきた求人原稿の改善に、Indeed自身のAIが本格的に入ってくることになります。
私は、この機能は今後のIndeed運用を考えるうえで、かなり大きな意味を持つと考えています。
一方で、現時点では利用できる求人や掲載方法が限定されています。特にIndeed PLUSと連携している一般のATSから掲載する求人では利用できない点には注意が必要です。
- Indeed PLUS AIアシスタントは、IndeedのデータとAIを使って求人原稿の改善を支援する機能
- クリックや応募などの状況だけでなく、類似求人や求職者行動をもとに改善提案を行う
- 改善提案は最大週1回提示される
- 現在はIndeed直接投稿、またはAirワーク 採用管理から投稿した対象求人が中心
- 一般のIndeed PLUS連携ATSから掲載した求人は対象外
- AIが勝手に求人を書き換えるのではなく、企業側が提案を確認して反映する
- 最大の価値は「生成AI」そのものではなく、Indeedが持つ膨大な求人・求職者データを改善に利用できることにある
Indeed PLUS AIアシスタントとは?
Indeed PLUS AIアシスタントとは、Indeedが保有するデータとAIを活用し、求人掲載後の効果分析から課題の発見、求人原稿の改善までを支援する機能です。
求人広告を掲載したものの、
- 応募が来ない
- クリックされない
- クリックはされるが応募につながらない
- 何を修正すればよいのか分からない
- 原稿改善まで手が回らない
といった問題は、採用現場では珍しくありません。
これまでは採用担当者や広告代理店がデータを確認し、求人原稿を読み直し、他社求人なども参考にしながら改善案を考えていました。
Indeed PLUS AIアシスタントは、このプロセスのかなりの部分をAIによって支援します。
しかも重要なのは、単に文章をきれいに書き直すAIではないということです。
ここが一般的な生成AIによる求人原稿作成との大きな違いです。
Indeed PLUS AIアシスタントで何ができるのか
Indeed PLUS AIアシスタントでは、大きく分けると「分析」「課題発見」「改善提案」「原稿への反映」という流れで求人改善を支援します。
1.求人の効果をAIが分析する
まず、現在掲載している求人の状況を確認します。
求人のクリックや応募などの実績だけを見るのではなく、同じエリアや職種などの求人と比較しながら、現在の求人に改善余地がないかを分析します。
採用担当者からすると、自社の応募数だけを見て「良い」「悪い」と判断するよりも、周辺の求人市場と比較できることに大きな意味があります。
2.応募につながらない原因を探す
次に、その求人のどこに課題がある可能性があるのかをAIが分析します。
例えば、求人が表示されているのにクリック率が低いのであれば、仕事内容以前に職種名や給与など、検索結果上で求職者が最初に目にする情報に問題があるかもしれません。
一方、クリックはされているのに応募されないのであれば、仕事内容、勤務条件、福利厚生、応募条件など、求人詳細ページの内容に改善余地がある可能性があります。
こうした「どこから直すべきなのか」を考える作業をAIがサポートします。
3.求人原稿の具体的な改善案を提案する
問題を指摘するだけではなく、求人原稿をどのように改善するのかまで提案するのがIndeed PLUS AIアシスタントの特徴です。
Indeed公式では、Indeed上の求職者の行動データや類似する他社求人の動向などをもとに改善提案を行うとしています。
改善提案は最大週1回で、求人の状況に応じて提示されます。
4.提案を確認して求人原稿へ反映できる
AIが提案した内容を人間が確認し、問題がなければ求人原稿へ反映できます。
ここも重要です。
AIが勝手に求人原稿を書き換えてしまうわけではありません。
採用担当者が提案内容を確認したうえで、承諾、修正、見送りなどを判断します。
つまり、AIに採用活動を任せてしまうというより、AIを求人改善のアシスタントとして使う仕組みになっています。
Indeed PLUS AIアシスタントの利用条件
便利な機能ですが、2026年9月時点では、すべてのIndeed求人で利用できるわけではありません。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 掲載方法 | Indeed直接投稿、またはAirワーク 採用管理から投稿された対象求人 |
| 広告 | スポンサー求人 |
| 雇用形態 | 正社員、アルバイト・パート、契約社員 |
| 勤務地 | 日本国内 |
| 一般のIndeed PLUS連携ATS | 現時点では対象外 |
Indeed PLUSに連携しているATSを利用しているからといって、Indeed PLUS AIアシスタントを使えるわけではありません。現時点ではIndeed直接投稿やAirワーク 採用管理から投稿した対象求人に限定されています。
なぜ「Indeedのデータを使ったAI」が重要なのか
私はIndeed PLUS AIアシスタントについて、一番重要なのは「AI」という言葉ではないと思っています。
本当に重要なのはIndeedが持っているデータです。
求人原稿そのものをAIに作らせることは、現在ではChatGPTをはじめ多くの生成AIでできます。
「介護職の求人を作ってください」
「20代の未経験者に響く営業職の求人にしてください」
このような指示をすれば、それなりの求人原稿は数十秒で作れます。
しかし、一般的な生成AIが持っていないものがあります。
それが、Indeed内で実際に求職者がどのように求人を探し、どの求人をクリックし、どのような求人から応募しているのかというデータです。
Indeedには非常に多くの求人と求職者が集まっています。
その情報をベースにAIが求人改善を行えるのであれば、単純な文章生成AIとは意味が違ってきます。
求人原稿を上手に書くAIが登場したというより、Indeed自身が持つ求人・求職者データを求人改善に利用できる時代になったことのほうが重要だと思います。
これまでIndeed広告を運用していると、応募結果を見ながら求人タイトル、仕事内容、給与表現、訴求内容などを一つずつ変更していました。
経験のある担当者であればある程度の改善はできます。
しかし、それでも私たちが見ることのできるデータには限界があります。
Indeed自身は、それとは比較にならない量のデータを持っています。
そのデータをAIが利用して求人改善に入ってくるのであれば、これはかなりインパクトがあるサービスになる可能性があります。
一般のIndeed PLUS連携ATSが対象外なのは大きな問題
一方で、現在のIndeed PLUS AIアシスタントには非常に気になる点があります。
Indeed PLUSと連携している一般のATSから投稿している求人では利用できないことです。
Indeed PLUSにはAirワーク 採用管理だけではなく、さまざまな採用管理システムが連携しています。
ATSを提供する会社は、自社システムからIndeed PLUSへ求人を連携できることを大きなメリットとして営業してきました。
しかし、そのATS経由ではIndeed PLUS AIアシスタントが利用できず、Indeed直接投稿やAirワーク 採用管理では利用できるとなれば、ATS事業者にとって無視できない差になります。
Indeed PLUSへの「掲載」ができるかどうかだけでなく、
- AIによる求人分析
- 求職者データを使った改善
- 競合求人との比較
- 原稿改善提案
まで含めて考える必要が出てくるからです。
Indeed PLUSが始まったことで、「どのATSから掲載してもIndeed PLUSへ連携できるのであれば同じではないか」と考える企業もあったと思います。
しかしAIアシスタントのようなIndeed独自機能が、Indeed直接投稿やAirワーク 採用管理から先に提供されるようになると話は変わってきます。
今後もIndeedの新しいAI機能がすべての連携ATSへ同時に提供されるとは限りません。
この状態が続けば、ATSは単純なIndeed PLUSへの「接続機能」だけでは差別化しにくくなります。
逆にATS事業者には、Indeedにはない応募者管理、CRM、スカウト、求人データ管理、複数媒体連携など、独自の価値をより明確にすることが求められると思います。
Indeed代理店の仕事はなくなるのか?
Indeed PLUS AIアシスタントが登場すると、当然、「これまで代理店がやっていた原稿改善をAIがやるのであれば、代理店はいらなくなるのではないか」という話も出てきます。
私は、そこまで単純ではないと思います。
Indeed直接投稿については代理店側からAIアシスタントを利用できるケースがあります。一方、Airワーク 採用管理の場合は、基本的に掲載企業側で操作することになります。
この違いは今後かなり興味深いところです。
特にエンドクライアント自身がAIから提案を受け、その場で求人を改善できるようになれば、従来代理店が担っていた仕事の一部は確実に企業側へ移っていくでしょう。
ただし、AIの提案をそのまま採用すれば良いとは限りません。
AIには分からない「会社独自の魅力」がある
例えばAIが、同じ地域、同じ職種の求人を分析した結果、ある表現を推奨したとします。
データ上は正しいかもしれません。
しかし、その企業が本当に採用したい人物像や、職場の雰囲気、経営者の考え、仕事の魅力、入社後のキャリアまでAIが完全に理解しているわけではありません。
求人は数字だけで作るものではないからです。
応募率だけを上げようとして条件面ばかり強調すれば、応募数は増えても採用につながらない可能性があります。
反対に会社の思いだけを長々と書いても、求職者には読まれないかもしれません。
このバランスを取る必要があります。
この3つを組み合わせることができれば、従来よりも良い求人原稿を作れる可能性があります。
エンドクライアントが求人を改善することは吉と出るか凶と出るか
ここは、私はまだ判断できないと思っています。
AIアシスタントによって採用担当者自身が求人を改善できるのは、一見すると非常に良いことです。
会社の仕事内容を一番よく知っているのは、その会社自身だからです。
AIが「ここを改善してください」と提案し、それに対して採用担当者が、
「うちの場合は実際にはこうです」
「この仕事の魅力はそこではありません」
「この部分はもっと強く伝えたい」
と修正していけば、Indeedが持っているデータと、その会社にしか分からない情報が混ざった求人になります。
これは非常に良い方向へ向かう可能性があります。
一方で、AIの提案を深く考えずに毎回承認する企業が増えれば、別の問題も起こるでしょう。
同じ地域、同じ職種の求人が、似たような表現になってしまう可能性があります。
AIが推奨する表現に求人が寄っていけば、結果としてどの会社を見ても似た求人ばかりになることも考えられます。
だからこそ、AIの提案を「答え」として使うのではなく、改善の材料として使うことが重要だと思います。
Indeed PLUS AIアシスタントで採用担当者の仕事はどう変わるか
これからの採用担当者に必要なのは、求人原稿をゼロから何時間もかけて書く能力ではなくなるかもしれません。
AIが作成・分析・改善まで支援してくれるのであれば、人間に求められる仕事は変わります。
| これまで | これから |
|---|---|
| 求人原稿をゼロから考える | AI案を確認し、自社らしく修正する |
| 応募数を見て感覚で修正する | データとAI分析を参考に改善する |
| 文章作成に時間を使う | 採用ターゲットや魅力整理に時間を使う |
| 求人掲載がゴール | 掲載後の改善を繰り返す |
つまり採用担当者の価値は、文章を書くことから、「AIに何を任せ、何を人間が判断するのか」へ少しずつ移っていくのではないでしょうか。
Indeed代理店にも「AIではできない仕事」が必要になる
同じことはIndeed代理店にも言えます。
これまで「求人原稿を修正します」「クリック率を確認します」ということだけを価値にしていた代理店にとっては、AIアシスタントは競合になる可能性があります。
Indeed自身がデータを分析して改善案を出してしまうからです。
これから代理店に求められるのは、それより上のレイヤーだと思います。
- 採用市場全体を見て予算配分を考える
- Indeed以外の求人媒体との使い分けを考える
- 職種ごとの採用難易度を判断する
- 求人条件そのものを見直す
- 応募後の歩留まりを改善する
- 採用サイトやLPまで含めて改善する
- 採用単価、採用率、定着まで分析する
例えば給与が地域相場より大幅に低い求人を、いくらAIで上手に書き直しても限界があります。
採用できない原因が求人原稿ではなく、給与、休日、勤務時間、勤務地、選考方法にあるケースもあります。
そこまで踏み込んで企業に提案できるかどうかが、今後の代理店にはより重要になると思います。
Indeed PLUS AIアシスタントを使う際の注意点
AIの提案が必ず正しいとは限らない
Indeed PLUS AIアシスタントはあくまでAIによる提案です。
仕事内容や労働条件と異なる表現になっていないか、実際以上に魅力的な表現になっていないかなど、最終確認は企業側で行う必要があります。
応募数だけで判断しない
求人広告では応募数が重要ですが、最終目的は応募を集めることではなく採用することです。
応募数が増えても採用対象外の応募ばかりになれば、採用担当者の負担が増えてしまいます。
応募率だけではなく、面接率、採用率、採用単価まで確認することが重要です。
自社独自の情報を消さない
AIが改善した結果、どこの会社にもあるような求人になってしまっては意味がありません。
社員、職場、仕事、経営者、キャリア、教育体制など、その会社にしかない情報は人間がきちんと残すべきです。
現時点では対象求人が限定されている
Indeed PLUS AIアシスタントはベータ版であり、利用条件や対象範囲は今後変更される可能性があります。
特に一般のIndeed PLUS連携ATSへの提供範囲が今後どうなるのかは注目したいところです。
Indeed PLUS AIアシスタントに関するよくある質問
Indeedが保有する求職者データや求人情報などをAIで分析し、求人の効果分析、課題発見、原稿改善を支援する機能です。
AIアシスタント自体に追加料金はかかりません。ただし、現時点では対象となるスポンサー求人など、利用条件を満たす必要があります。
いいえ。2026年9月時点では、Indeed直接投稿またはAirワーク 採用管理から投稿された対象求人など、一定の条件があります。
現時点では一般のIndeed PLUS連携ATSから投稿した求人は対象外です。Indeed PLUSへ求人を掲載できることと、Indeed PLUS AIアシスタントを利用できることは別になります。
いいえ。AIが改善案を提示し、内容を採用担当者などが確認したうえで反映します。
求人の状況に応じて、最大週1回の頻度で改善提案を受け取れます。
掲載方法によって異なります。Indeed直接投稿では代理店側から利用できるケースがありますが、Airワーク 採用管理では掲載企業側での操作が必要です。
必ず増えるとは限りません。AIは求人改善を支援する機能であり、給与、勤務地、勤務時間、採用市場、競合状況など求人原稿以外の条件によっても採用成果は大きく変わります。
まとめ|Indeed PLUS AIアシスタントで「求人原稿改善」の考え方が変わる可能性
Indeed PLUS AIアシスタントは、一見すると「AIで求人原稿を改善してくれる便利な新機能」に見えます。
しかし私は、それだけのサービスではないと思っています。
一番大きいのは、Indeedが持っている大量の求人・求職者データとAIが結びつき始めたことです。
求人原稿そのものを生成AIで作ることは、すでに珍しいことではありません。
しかし、その求人を実際の求職者行動や市場データをもとに改善するとなると、Indeedの持っているデータ量には大きな価値があります。
そして、そこに採用企業自身が持っている「自社にしか分からない情報」を加える。
Indeedのデータ × AI × 企業独自の情報。
この組み合わせは、求人原稿をこれまで以上に改善できる可能性があります。
一方で、AIの提案をそのまま使えば良いわけではありません。
AIが作る「データ上よさそうな求人」と、会社が本当に伝えなければならない魅力をどう融合するのか。
ここは今後も人間の仕事として残ると思います。
また、現時点で一般のIndeed PLUS連携ATSがAIアシスタントの対象外になっていることも見逃せません。
今後IndeedがAI機能をどこまで連携ATSに開放していくのか。それともIndeed直接投稿やAirワーク 採用管理を中心に機能を強化していくのか。
これはATS事業者、Indeed代理店、採用企業のすべてに影響してくる可能性があります。
Indeed PLUS AIアシスタントはまだベータ版です。
そのため、現段階で「採用が劇的に変わる」とまで評価するのは早いでしょう。
ただ、IndeedがAIによる求人改善へ本格的に動き始めたという事実は、求人広告業界にとってかなり大きな変化だと私は考えています。
これからのIndeed運用は、「求人を掲載する」ことよりも、「データとAIを利用して求人を継続的に改善する」ことがさらに重要になっていくのではないでしょうか。
※本記事は2026年9月時点で公開されているIndeed公式情報等をもとに作成しています。Indeed PLUS AIアシスタントはベータ版のため、対象求人、利用条件、機能、画面等が今後変更される可能性があります。















