人材求人サイトがクローラーに対して最適化する具体的な方法 #2

人材求人サイトにとってSEO対策は重要な課題です。そしてこの記事は2018年に制作されたものを2022年時点の環境にバージョンアップをおこないました。

SEO対策には内部施策・外部施策があります。今回は内部施策を充実させ、GoogleにWEBサイト内をクロールしてもらい、1ページ1ページをしっかり評価させ多くのページをインデックスしてもらうために、人材求人サイトをクローラーに対して最適化する具体的な方法を解説します。また、人材の求人サイトなのでインデックスされれば「Googleしごと検索」からの導入も期待できます。

「多くのインデックス=多くの入り口」であり、ロングテールを考える上でとても重要な要素になります。

タイトルタグにはキーワードを入れる

人材求人サイトの構成は、TOP>都道府県>市町村>求人(地域)を中心に、路線>駅、特徴の大中小のカテゴリーを整理していかなければなりません。

タイトルタグ(title)には例えば医師の神奈川県のページであれば「神奈川県の医師求人転職情報|サイト名」がバランスがよくキーワード「医師、神奈川県、求人、転職」が理想です。

これが市区町村であれば「医師、市区町村名、求人、転職」、特徴であれば「医師、特徴、求人、転職」、路線・駅であれば「医師、路線・駅、求人、転職」などそのページを表すキーワードをしっかりいれ、1ページごとにタイトルを変えサイト内に同じタイトルを作らないようにしましょう。

また、詳細ページであれば、求人募集ページに募集している企業名などをいることにより、企業名で求人を探している方にヒットします。末端の求人詳細ページを非公開にされている求人サイトもあります。これは派遣会社や人材紹介でおこなっている求人サイトによく見かけます。非公開にすることにはメリット・デメリットがありますのでここを理解してから行いましょう。一方的な要素で考えると失敗することがあります。

CMS機能があればテンプレートさえ変えれば可能です。これはタイトルだけでなく、ディスクリプション・キーワード・h1に対しても同じものはNGです。

タイトルタグに関しては人材求人サイトのSEO対策で失敗しない方法でも詳しく説明していますので参考にしてください。

ディスクリプションはページの要約を設定する

前にも説明しましたがディスクリプション(Description)は1ページの要約です。ページ内容に沿った内容を魅力的に書くことがとても重要です。しかし、設定するにはいくつかの注意がありますので説明します。

1、文字数は長くても120文字以内

ディスクリプションは検索結果で使用されることがあり、PCでは約120文字程度表示されますが、スマホでは50~60文字で省略されてしまいます。

あまり長くても省略されては意味がないのでシンプルにわかりやすい言葉で書きましょう。

2、検索キーワードは前の方に

意識した検索キーワードは文章の出来るだけ前の方に入れるようにしてください。PCであれば太文字で表示されますのでユーザーに対してのアピールになります。クローラーに対しての評価はさほどかわりません。

3、ユーザーにとって魅力的な文章にする

これはとても重要です。モバイルユーザーにとって検索結果に表示されるどのサイトをクリック(タップ)するかはタイトルとディスクリプションで決まります。Googleの進化によってクリックされた人がどのようなものを探しているか探しているものにマッチしているかを点数化されています。ただ単に魅力的なページを作るだけでなく、ペルソナを定め、中身に対してのタイトル・説明を魅力的に作るようにしましょう。

タイトルは先程説明したようにどのサイトでも、同じようになってしまいますがディスクリプションについては差が出てきています。

PCはページ移動が楽なので安易にクリックをしてくれますが、画面の小さいスマホユーザーにとってクリックという動作は非常に大切なのでPCよりもディスクリプションは見られています。

しかし、PCよりも見られていますが、スマホユーザーは感覚でディスクリプションを選んでいます。「感覚で見る」決してしっかり読むのではありません。これはご自身がスマホで何か検索をしてクリックした時になぜなのかを考えたらわかってきます。

①数字を入れる

数字を入れると認識しやすいのです。

どんなにシンプルな文で作っていても人は考えて認識をしなければなりませんが、数字ならば”0”は少ない、”1000”は多いと簡単に認識できます。

例えば「1231件の新潟市の医師の求人情報を掲載…」と早めに表示されていれば新潟市で1231件は多いなとシンプルに認識するので、「読む」のではなく「見る」ことでクリックに進むという行動がおこります

よく本やブログのタイトルでも”○○に失敗しない12の法則”のようなタイトルを見かけますが、これはシンプルに認識されるからです。ただ、蛇足ではありますがこれには数字と「ネガティブな文章」も必要になります。

②日付も使う

日付も検索したのと同じ日付が表示されていれば「新しい求人がある」「更新されている」のような認識をシンプルにしてくれるのでクリック率が上がります。

ただ、更新されていないのに日付だけ変えるとクローラーに対してはよくないので気をつけましょう。

③魅力的な情報を書く

これが1番大切なことです。

あまり大げさに書きすぎてクリック後に1ページでの離脱率(直帰率)が高くなればサイトとしてマイナスになりますが、タイトルに比べてあまり気にされていないWEB担当者も多くいます。

ユーザー視点で魅力的なディスクリプションを作ることにより、ユーザーのクリック率が変わってきます。

また、ディスクリプションも1ページ対して1つにするのが良いので1ページごとに変えるようにしましょう。

キーワードに検索キーワードを入れる

検索キーワードとして考えているキーワードをmeta keywordsに設定してください。クローラーはここでそのページのキーワードを見ますがSEOには効果がありません。

これはGoogleが公式に発表しています。以前、keywordsを利用してスパム行為を行うことが多くなってしまったからです。現在はクローラーの精度も上がり、keywordsを利用しなくてもページの中身で理解できるようになっています。

keywordsに設定してもSEOは効果はありませんが、keywordsに検索キーワードを入れておかないとページ自体の品質が高くても上位にはあがりません。いわゆる最低限やっておくべきことです。

h1からh6まで構成を考えて使う

ユーザーも整理されている文章は読みやすいようにクローラーも認識しやすいのです。

特に日本語は世界的に見ても大変むずかしい文法をしているので、よりシンプルに表現するように心がけましょう。

hタグとは大見出し・中見出し・小見出しとして文章をわかりやすくまとめ、表現する技法と考えてください。よって通常はh1よりh2、h2よりh3の出現回数が多くなります。

1、ページの役割を整理する

各カテゴリーページ、求人詳細ページのキーワードの役割を整理し、ユーザーが使用する検索キーワードを考えh1からh2に設定していきます。

ロングテールで考える詳細ページには企業名や求人の特徴(同じ会社の求人で違いが出る部分、例えば正社員とパートなど)を設定し、各カテゴリーには特徴やエリアなどのキーワードを設定します。

サイト全体のキーワードよりカテゴリーでの特徴・エリアのキーワードの色を赤くしたり太字にするような設定をしましょう。全体のキーワードも各ページに入れますがエリアや特徴などそのページを表すキーワードより抑えて設定します。

ただし、h1とh2の関係性を考えキーワードは無理なく入れていきましょう。強引にキーワード使用したり、ページと矛盾するようなキーワードは使用してはいけません。

2、h1の使用は1ページに1回にする

1ページにh1を多用するのはおかしなことです。そのページが何について書かれているのか大見出しとしてh1を設定し、h2、h3と続けて構成していくようにしましょう。h1を2つ使うのであればページを分けるべきです。

3、hタグは順番を守って使う

hタグはh1の中にh2、h2の中にh3、h3の中にh4が存在するように作ります。

h1の下にh2がないのにh3を設定するようなことはよくない記述になります。
また、h1がなく、いきなりh2から始まるのもよくない記述です。

4、h1の文字数

h1の文字数は30文字から60文字程度が理想的です。Googleからの公式な発表はありませんが長くなるとキーワードの効果が薄くなります。

Googleしごと検索に掲載されるようしよう

求人サイトを複数運用して感じるのは「Googleしごと検索」と通常のGoogle検索のコンバージョン(登録・応募など)の割合が同じくらいになってきています。これはいわゆるオーガニック(無料)なのでしっかり設定しましょう。

1、Googleしごと検索に対応させる

制作する求人サイトをGoogleしごと検索に対応させるにはエンリッチ検索結果に引っかかるように構造化データ(求人をGoogleの指定する形にしたもの)を作成して求人ページにマークアップ(決まっているタグでソースの中に追加すること)することです。

詳しくはGoogleのヘルプサイトの解説ページに公開されています。
構造化データのマークアップのやり方を簡単にまとめた記事もご覧ください。

Googleしごと検索サービスがスタートして3年がすぎたので色んなサービスで自動でセットされているものが増えています。Wordpressでもプラグインが増えてきています。

2、indeedに偏らない

せっかくの無料サービスのGoogleしごと検索がうまく使われていない、もしくはおかしなことになっている求人サイトが見られます。これは「indeed」からの導入を考えすぎてindeedに偏った求人サイトになり過ぎ、Googleから見ると「??」の状態になっていることです。indeedのアルゴリズムは月1程度の早い変更が行われているのでここはしっかり理解して運用するようにしましょう。

URLの正規化・統一化をしよう

URLの正規化・統一化はGoogleクローラーに対して最適化する中でとても重要ですが意外とできていない人材求人サイトが多いです。

これは人材求人サイトが個人情報を扱うWEBサイトに属するので、最近「https化」を行いSSLを導入したサイトが多く、このときにしっかり対応されていないパターンと、求人検索機能をもっているのでパラメーターがついたページがインデックスされるパターンです。

正規化ができていないとリンクポピュラリティの分散がおこり、せっかくのGoogleの評価を分散させることになりますし、最悪コピーページ扱いを受けることもありますのでこのことについて説明します。

1、https・httpの正規化

SSLを途中から導入すると「https」と「http」の2つのURLが発生します。原則、Googleは「https」を優先して使ってくれますが301リダイレクトを設定しておきましょう。

以前はリダイレクトを行うと元のページの評価の80%程度しか引き継げないと言われてましたが、現在はGoogleでも公表していますが評価は100%引き継ぎますので301リダイレクトをしっかり設定しておきましょう。

2、パラメーター付のURLの正規化

人材求人サイトでは求人情報の検索や動的URLを利用することによりパラメータの付いているページがインデックスされることが多くあります。パラメータの対応策ですが人材求人サイトの作り方により変わってきます。

①動的URL利用の人材求人サイト

不本意なURLのインデックスや重複するページをインデックスされてしまうとSEO的に不利になりますので、タイトルやディスクリプション同様に全ページでcanonicalを設定するべきです。canonicalとは正式なURL(ページ)を指定するタグです。

人材求人サイトの検索ツールを使用すると数々のパラメーターが付いたURLで検索結果が表示されます。ある程度のところで(都道府県、市区町村、求人詳細だけなど)canonicalが付くようにシステムをつくるか、手間がかかりますがGoogle Search Consoleからパラメーターの設定をするべきです。

しかし、Search Consoleのパラメーターの設定は細かい設定ができないことと、設定方法を間違うとGoogleにインデックスされなくなる設定もあるので慎重に行わなければなりません。

②疑似静的URL利用の人材求人サイト

疑似静的URLがシステムに入っている人材求人サイトであればシステムで疑似的に使用しているURLをそのままcanonicalで表示するだけなので比較的簡単に設定できると思います。

設定出来ない場合は、動的URLと同じくサーチコンソールからパラメータの設定を行います。
ほとんどの場合はパラメータすべてに対して「いいえ: ページのコンテンツには影響しません(例: トラッキング用)」に設定しますが、一部で動的URLが使用されていてそのページもインデックスさせたい場合は注意が必要です。

3、TOPページの正規化

TOPページの表示には内容が同じでも複数のURLがあります。

  • http://www.h-bsc.jp
  • http://h-bsc.jp
  • http://www.h-bsc.jp/index.php
  • http://h-bsc.jp/index.php

4つのURLとも表示される内容は全く同じですがGoogleには別ページとして認識されてしまいます。どれかひとつを選び正規化をして他のURLには301リダイレクトを設定しましょう。4つのURLの違いは「www.」と「/index.php」が付くか付かないかです。

なお、正規化を行ったらできる限りサイト内で使用するトップページへのリンクは選んだURLに揃えましょう。

4、PC・スマホURLが別の場合の正規化

現時点(2017年10月)ではPCやスマホなどのデバイスにより、URLが変わる場合、canonicalでスマホからPCへ、alternateでPCからスマホへアノテーションの設定を行います。これはデバイスよりURLが別々のページには必要ですが、同じURLのレスポンシブには不要です。

また、近い将来モバイルファーストインデックスが導入されればcanonicalタグの設定が変わるかもしれません。(現在のところはcanonicalとalternateを逆にする必要はないとGoogleが発表しています。)

サイトマップの制作・URLの設定

サイトマップの制作・送信ですが、サイトマップといってもユーザー(人材求人サイト利用者)向けのものではなく、Googleのクローラー向けにsitemap.xmlを送信することです。

sitemap.xmlを送信することにより適切にサイトの構成を伝えることができます。

人材紹介求人サイトは主に、TOP・各カテゴリー・求人情報・コラム・ニュースなどで構成されています。

sitemap.xmlではページの重要度(priority)を指定することができますが、現在Googleでは使用していないので考慮する必要はありません。もし、設定する場合はユーザー(主に求職者)意識に基づいてサイト構成を配慮して制作することをおすすめします。

サイトマップを作成する方法は手動・ツール・システム(プラグイン)があります。

1、手動による制作

手動は人材求人サイトでは難しいと思います。求人の更新等(新規登録・削除)があるのでその都度、求人の更新と同時にsitemap.xmlを更新していくのは非現実的です。

2、WEBツールによる制作

sitemap.xmlを制作するWEBツールがありますがこれも最初だけは作れますが人材求人サイトでは継続的にツールを利用していくのは難しいです。

ツールによりますがサイトマップにできるページ数に制限のあるものが多くなっています。代表的なものはsitemap.xml EditorXml-Sitemaps.comなどがあります。

3、システム(プラグイン)による制作

私は人材求人サイトにはこれをおすすめしています。

求人の更新に伴いsitemap.xmlは随時更新すべきですし、コラムやニュース、求人情報などWEBサイトのコンテンツにより、更新頻度(changefreg)が異なるのでしっかり設定すべきです。よってサイトマップはシステムで作るべきです。

人材求人サイトをWordPressで制作する制作会社が多い理由のひとつにWordPressで制作するとプラグインで簡単に設定できるという魅力があるからです。

しかし、WordPressによる人材求人サイト制作はおすすめしません。詳しくは別のコラムをお読みいただきたいのですが「Google XML Sitemaps」や有名なSEOプラグイン「All in One SEO Pack」などを使用して酷い構成の人材求人サイトになっているのが多くあります。

これはプラグインの更新などがうまくいかないなどの理由からおこる現象です。

sitemap.xmlのURL設定

「sitemap.xmlを送信する」と、この記事でも書いていますが正確には「Google Search Console」でsitemap.xmlのURLを設定するという作業になります。

Google Search Consoleで左メニューの「クロール」→「 サイトマップ」をクリックすると右上部に「サイトマップを追加/テスト」が表示されますのでクリックします。

sitemap.xmlの URLを入力し、「サイトマップを送信」をクリックします。

下の表にsitemap.xmlが追加され、Googleのクローラーが各URLをクロールし、インデックスします。ただし、sitemap.xmlのURLをすべてインデックスするかどうかは別問題です。

なお、以前はウェブマスターツールという名称でしたが、現在はSearch Console(サーチコンソール)と言います。

robots.txtの設定

「robots.txt」とはGoogleなどのクローラーに対してインデックスをコントロールすることができるものです。また、上記のsitemap.xmlの場所なども指定できます。

また、クロールしてほしくないディレクトリ(フォルダ)なども設定できます。これは効率のよいクローラー巡回を目的にしており、コピーコンテンツ(人材求人サイトであればコピー求人)などをブロック設定するものではありません。

この具体的な設定に関しては、別のコラムでご説明していきます。(作成中)

まとめ

近年はGoogleのクローラーの技術も上がり、きちんと設定されていても、更新が少なかったり、魅力がないようなWEBサイトでは評価が上がらいようになっています。

また、人材紹介求人サイトは機能・質・情報量を求められ、競争が激しい業界です。

しかし、WEB上での求職者獲得がメインの時代、Googleのクローラーに対して最適に情報をクローリングしてもらわないとYahoo・Googleなどの検索エンジンでは上位にはなりませんし求職者を獲得することはできません。

そして最適化がされていない人材紹介求人サイトに広告で集客してもスポット要素での訪問しか望めません。

広告で訪問者を増やすのであれば訪問後オーガニック(通常の検索)での獲得も期待したいのでクローラーの最適化は絶対に行うべきです。

また、制作会社に一任するのではなくセカンドオピニオン的に専門業者に確認してもらうのもひとつの手段です。

ナレッジルーム採用WEBマーケコンサルタント 石井

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