コロナでも採用募集がうまくできない理由

2020年のコロナウィルスまん延により、事業が制限され危機的な状況になり、人余りが起こっていると思い、採用募集を出すがなかなかうまくいかない、そんな事を思っている採用担当者が増えています。これにはしっかりした根拠と理由があります。この事について簡単に説明させていただきます。

2021年6月の現状の雇用・経済指標

2021年5月の結果、完全失業率3.0%(完全失業率とは労働力人口15歳以上の働く意欲のある人のうち、職がなく、求職活動をしている人が占める割合で、雇用情勢を示す重要指標のひとつです)、有効求人倍率1.09倍(有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合)です。
この数字がどのような状況なのか、現状のテレビやメディアの感じでは2009年のリーマンショック時の状況をイメージされる採用担当者もいらっしゃると思いますが、けしてそんな状態ではありません。
現状の業績が悪くなっているのは飲食・旅行・交通・アパレル・イベントなどの業界です。その他をみるとけして悪いだけでなく伸びている業界、現状維持の業界など様々です。2009年のリーマンショック時は完全失業率5.50%、有効求人倍率0.42倍で今よりはるかに悪い状態でした。

今の状況はどの程度なのか?

今の完全失業率3.0%、有効求人倍率1.09倍は果たしてどの程度前なのか?完全失業率3.0%は7年前、有効求人倍率1.09倍では5年前程度、ミックスで考えて6年前程度です。
そのころ不景気感を感じたでしょうか?けして感じておらず、人余りも感じていませんでしたし、簡単に企業側が求めている若手を採用することができたでしょうか?できませんでした。今はそのような状況です。
たしかに飲食店で倒産に追い込まれている方は多くいますが、すべてが落ち込んでいるような状態ではないと、そしてコロナがワクチンなどで抑えることができ前と同じような状態にと考えるポジティブな社長さん達も多くいらっしゃるので、けして採用が簡単にできるわけではないようです。

どのような採用手法をすべきか?

コロナでタブついている人材は飲食店・ホテル・アパレル業界の人材で高校卒・専門学校卒のITなどの技術を持っていない人材が多くみられます。そんな中でIT・WEBなどホワイトカラー人材や営業経験者の20代若者を獲得するのはやはり、大変なことです。
このような状況の中で大手であれば若手採用もうまくいきますが、中小・零細企業は自身の仕事を見直し、とんがりを見つけアピールしていくことが重要になります。
営業であれば大卒にこだわらず、高卒から範囲を広げるとか、おもいきってフレックスにするとか、対象の人材が好むものを取り入れることが必要だと思います。

私が採用支援を行った案件で薬剤師不足で困っている地方調剤薬局(1店のみ)の事例ですが、募集をしても集まらず相談があり、ホームページをきれいに作るが応募が全くなく困り果てていました。私は採用サイトを作り、募集薬剤師の週休3日制、新幹線通勤の求人を作り、あっという間に解決したことがあります。もともと、地域に薬剤師がおらず、広範囲の地域にindeedを使い、給与・休みを充実させ新幹線通勤をOKすることにより集まりました。このように柔軟に考えてほしい人材を集めることが必要です。

生産労働人口(15歳~64歳)の減少

2020年の生産労働人口(15歳~64歳)は6868万で前年より18万減少しております。この傾向は今後、長期的に続き、生産労働人口の割合も高齢者が増え若者の割合が減る一方でそんな若者は大企業に取られていきます。中小・零細は採用に力を入れ続けないと良い人材とは巡り合わないと思います。

まとめ

コロナの中でも採用がうまくいかない理由は求めている人材がハイスペック若者か、募集職種が営業など求職者から好まれない職種、もしくは建設関係の完全不足型職種であり、けしてこんな状況下でそのような人材があふれている日本の状況ではないということです。飲食・旅行・アパレルなどから未経験な人材を集め育成型中途採用を強化していくことが重要だと思います。

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