indeedを利用して求職者を集客している企業にとって重要な情報です。2025年4月より、indeedにおけるクローリング掲載が終了する予定です。
特に有料職業紹介や派遣事業を行う企業にとって、この変更は大きな影響を及ぼすことでしょう。
indeedは、もともとアメリカのテキサス州オースティンで誕生したアグリゲート求人サイトです。
現在のリクルートホールディングスの社長である出木場氏が、当時のリクルート役員を説得し、indeedを買収したことにより、indeedは世界一のHR企業へと成長しました。現在も出木場氏はオースティンにいます。
私の推測ですが、リクルートホールディングスの株主は、indeedの売上や利益率から見て、日本のリクルートサービスの利益率が物足りないと感じているようです。
indeedとリクルート日本サービスを分離することで、indeedがさらに価値のあるグローバル企業として成長できると考える株主がいるようです。
このような背景から、日本のリクルートサービスにおいて大規模な効率的改革(HRテクノロジー事業とマッチング&ソリューション事業の人材領域を一体化)が進行していると感じます。
indeedエントリーとは
indeed エントリーは、indeed 内で応募プロセスを完了させる機能で、ユーザーが離脱する可能性を低減し、応募数を増やす効果が期待されます。
indeed エントリーを利用することで、応募の流れがスムーズになり、求職者の利便性が向上します。
indeed エントリーの2種類
indeed カンタン応募:
・応募プロセスが簡単で、求職者は数クリックで応募を完了できます。
・基本情報(氏名、年齢、住所など)は、indeed に登録されている情報を使用できます。
indeed 履歴書応募:
・応募者は、自分のindeedに保存されている履歴書を利用して応募できます。
・詳細な情報を提供する必要がある場合に有効です。
クローリング、採用情報へ推移する場合(もともとの機能)
・求人ページに遷移し、そこでフォーム入力送信を行います。
・ページ遷移が発生するため、ユーザーの離脱率が高まる可能性があります。
indeedはもともとアグリゲーション求人サイトとしてスタートしました。「アグリゲーション」とは「束ねる」という意味があり、散らばっていた求人情報を一つにまとめる仕組みを指します。
これにより、求職者は複数のサイトを巡らなくても、indeed内で様々な求人情報を一度に閲覧できるという便利なサービスが提供されました。
したがって、indeedから各企業の採用情報ページに遷移する形式(indeedから応募開始ボタンでクローリングしたサイトへ推移する形)は、indeedの本来の形とも言えます。
indeedエントリーになる場合
・ページ遷移が発生せず、indeed 内でフォーム入力、送信を完了できます。
・基本情報はindeedに登録されているものを使用するため、求職者の手間が省けます。
今はindeed エントリーを利用することができるのはindeedに直接、直接投稿機能を使い求人を登録することとindeed対応のATSを使うことで利用できるサービスになっています。indeedエントリーをする事で企業は応募数の増加と、求職者の応募体験の向上を期待できます。
クローリングによるサービス提供が終了
indeedが提供しているクローリングによる掲載サービスは、2025年3月末をもって終了することが決定しました。
この変更により、indeedを利用する求職者は、採用サイトや求人サイトに遷移することなく、直接indeed上で応募が可能となります。
採用サイトや求人サイトから見ると、この変更は大きな影響を及ぼします。これまで、求職者がindeedから採用サイトや求人サイトに遷移し、他の求人にも応募することで得られていたアクセス数が減少するためです。
求職者が採用サイトや求人サイトにとどまることなく、すべてindeed上でエントリーを完結させることになります。
この結果、採用サイトや求人サイトにとってはアクセス数の減少や応募数の減少といったマイナスの影響が生じる可能性があります。
採用サイト・求人サイトの改修
今後、求職者がindeedを利用する際には、すべてindeedエントリーのみで応募が完了する仕組みとなります。
この変化に伴い、採用求人サイトは新たな仕組みの導入や求人サイト・採用サイトの改修を検討する必要があります。
自社の採用サイトや求人サイトをindeedエントリーに対応させるには、サイトの改修が必要です。特に難易度が高いのは、広告型タイプの求人サイトです。
これは、クライアントにID・パスワードを発行し、求人掲載管理や応募者とのやり取りをサイト内で行う求人サイトです。このタイプの求人サイトでは、広告掲載課金や応募・採用課金制を採用しています。
indeedで応募があった場合、フィードを使ったAPIで求職者情報を取り込み、自社の求人サイトに反映させることが可能です。
しかし、クライアントと求職者が求人サイト内でやり取りを行うことが難しいのです。求職者はindeedで応募したと認識し、クライアントは求人サイトで応募されたと認識するため、齟齬が生じます。
この問題を解決するためには、クライアントが求職者に直接電話やメールで連絡するという単純な方法もありますが、従来通り求人サイト内でやり取りを行うためには、新たなメール配信サービスツールの導入と連携が必要です。
さらに、応募ごとに新規のメールアドレスを作成する仕組みも必要となります。
WordPressやDrupalのCMSを基に作られている求人サイトで配信サービスツールを作成する場合、費用が高くなることが予想されます。
また、PHPやWordPress、Drupalのバージョンが更新された際には、再度作り直しが必要となり、これも高額な費用がかかる可能性があります。
XMLフィード機能つかっているか
現在、indeedのクローリングを利用している求人サイトや採用サイトの運営者で、XMLフィードを使用していない方は、まずXMLフィードの導入から始める必要があります。また、既にXMLフィードを利用しているサイトでも、一旦エクセルなどの形式で業者に依頼してXMLフィードに変換し、indeedのサーバーにアップロードしている方は、変換業者が新たにindeedエントリーに対応することを期待できます。
しかし、今後はXMLフィードの使用が廃止され、XMLフィードを利用しないAPIに移行するため、自社での開発を進めるか、XMLフィードやAPIに精通し、高度な技術を持つ業者に依頼して採用サイトや求人サイトを作り直すことを検討した方が良いでしょう。その際には、自社の求人サイトがどのタイプに該当するかを把握し、適切な業者を選ぶことが重要です。
「indeedエントリー」追加の簡略化した仕様書
XMLフィードを使用して求人サイトに「indeedエントリー」を追加するための手順をまとめました。採用サイト・求人サイトにXMIフィードによるindeedエントリーを使える改修するには「indeedエントリーfeedによる対応方法の仕様書」ガイドを参考にしてください。
前提条件
有効なindeedアカウント
サイトのXMLフィードへのアクセス
indeedからのAPI資格情報
「indeedエントリー」統合の手順
①XMLフィードの設定
・XMLフィードがindeedのスキーマ要件に適合していることを確認します。
・必要な求人情報要素(タイトル、説明、勤務地など)を含めます。
②API資格情報の生成
・indeedアカウントにログインします。
・API設定に移動し、APIキーとシークレットを生成します。
③XMLフィードの修正
・求人情報フィードにindeedApplyタグを追加します。
XMLスニペットの例:
xml
<job>
<title>看護師</title>
<description>患者ケアを提供します…</description>
<location>東京都</location>
<indeedApply>true</indeedApply>
</job>
④XMLフィードをindeedに送信
・indeedアカウントにアクセスします。
・XMLフィード送信ページに移動します。
・XMLフィードのURLを送信します。
④テストと検証
・求人情報がindeedに「応募」ボタン付きで表示されることを確認します。
・応募プロセスが正しくサイトにリダイレクトすることをテストします。
トラブルシューティング
・求人情報が表示されない場合: XMLスキーマにエラーがないか確認します。
・応募ボタンが表示されない場合: indeedApplyがtrueに設定されていることを確認します。
サポートへの問い合わせ
・問題が発生した場合、API資格情報とXMLフィードのURLを持ってindeedサポートに連絡します。
このバージョンは、重要なステップと要件をカバーし、理解しやすくしています。さらに詳細な情報や調整が必要な場合は、お知らせください。
改修をせずにindeedエントリー利用方法
採用サイト・求人サイトを改修せずにindeedエントリーを使うにはindeed対応ATSを使うか、indeedに直接投稿をする方法のどちらかになります。簡単に説明します。
indeed対応ATSってどんなサービス
まずは「indeed対応ATS」とindeedの掲載と連携しているATSということです。そして「ATS」とは
採用管理システムのことで応募者の情報を一括で管理し、採用プロセス全体をスムーズに進めるためのシステムです。このシステムの正式名称は「Applicant Tracking System」で、略してATSと呼ばれています。
通常、求人媒体ごとに異なるシステムで応募者管理や面接調整を行う必要がありますが、ATSを導入することで、これらの作業を一つのシステムで完結できます。
ATSでできること
ATSは採用業務を効率化するための多彩な機能を備えています。以下はその一例です:
・求人情報の管理:求人情報を一元管理し、必要な時にすぐにアクセスできます。
・採用プロセスの効率化:応募者の情報を整理し、面接日程の調整や選考の進行をスムーズに行えます。
・応募者情報の一元管理:応募者の履歴書や面接のフィードバックを一つのシステムで管理します。
・応募者の選考ステータスの把握:応募者が現在どの段階にいるのか、リアルタイムで確認できます。
・採用データの分析と報告機能:採用活動のデータを分析し、報告書を簡単に作成できます。
できることでも自社の採用に適しており、人材紹介業や派遣事業・広告求人サイトでは無駄な機能になるかもしれません。
indeed直接投稿について
ndeedでアカウントを作成し、画面の指示に従って会社情報や求人内容を入力するだけで、簡単に求人情報を掲載できます。しかし、クローリング方式よりも厳密な情報が必要です。これはIndeedプラスに掲載するためで、Indeedプラスに掲載できると他のリクルート系デジタルメディアにも掲載されるようになります。このため、細かい求人情報の条件を入力する義務が発生します。
人材紹介や派遣事業にとっては、この詳細な情報を入力する手間が増えることになりますし、他の媒体(Indeedプラス経由)から応募した求職者との間で情報の認識に違いが生じる可能性があります。そのため、Indeed直接投稿は必ずしも、人材紹介・派遣事業に適しているとは言えない場合もあります。
直接投稿の具体的な手順
- アカウント作成: まず、indeedにアクセスしてアカウントを作成します。登録は簡単で、メールアドレスと基本情報を入力するだけで完了します。
- 会社情報の入力: 次に、画面の指示に従って、会社の基本情報や業種、所在地などを入力します。
- 求人概要の入力: 最後に、募集する職種や仕事内容、応募条件などの求人情報を入力します。これで、求人情報がindeedに掲載されます。
直接投稿の利点
・迅速な掲載: 直接投稿なら、求人情報を短時間でindeedに掲載できます。時間をかけずに求人を掲載することができます。(無料では厳しくなってきている)
・無料で企業ページ作成: 自社の企業ページを無料で作成できるので、会社の魅力を求職者にアピールできます。企業ページには、会社の写真やロゴ、詳細な説明を追加することが可能です。
・求人情報のタイムリーな更新: 掲載後も求人情報を簡単に更新できるため、最新の情報を求職者に提供できます。募集要項の変更や追加情報もすぐに反映できます。
indeed掲載に手間がかからない
採用サイトや求人サイトは、Googleしごと検索やスタンバイ、求人ボックスなど他の媒体にも掲載が可能で、人材募集には欠かせないツールです。しかし、Indeedに求人を掲載する際には、直接投稿やIndeed ATSを利用すると手間も費用もかかります。このため、フィードやAPIを利用してIndeedエントリーを活用するのが最善です。
また、採用求人サイトの管理からIndeed掲載のキャンペーンなどを分類できるサービスもあり、これを利用することで手間や人件費、費用を削減できます。
まとめ
2024年4月からIndeedエントリーが必須となり、従来のクローリング方式が使えなくなります。そのため、対策としては、まず採用サイトや求人サイトを作成した会社に見積を取り、サイトを改修する方法が考えられます。
ただし、見積が高額になる場合は、Indeedエントリーに対応した求人サイトを制作できるCMSサービスを利用するのも一つの方法です。安価なものであれば、制作費は約20万円程度で済みます。Indeed専用の求人サイトとして考えると、サイトを修正するよりも経済的です。
また、Indeedの規制が厳しいため、あまりにもIndeedに合わせると求人サイトとしての価値が下がる場合があります。この問題もCMSサービスを利用することで解決できます。
採用サイトの場合はサイトをきれいに作成することで、自社のイメージを良くする効果も期待できます。この機会に新しい、見栄えの良い採用サイトを作成するか、Indeedの直接投稿を利用することで費用を抑えるのもおすすめです。