求人サイト制作は普通のホームページ(企業コーポレートサイト・ブログ・LP)に比べると制作する難易度が高くなります。
制作しようと考えているサイトが自社の採用サイトなのか有料職業紹介(人材紹介)用か派遣事業用の求人サイトなのかによって変わってきます。
サイト制作の担当を人事担当者が兼務する場合、Web・ITなどの知識がなく、一人で計画するのは難しく、どこかの制作会社に言われたことだけを信じてしまい、失敗するケースがほとんどです。
求人サイトは大きく分けて、LP(ランディングページ)型、ロングテール型、両用型があり、これを自社の獲得したい人材に適している方法で制作していかなければなりません。
求人サイトの制作について簡単に説明いたします。

求人サイト、最大の目的は?
求人サイトの最大の目的は求職者を集めることです。
求職者を集めるには求職者のイメージ(ペルソナ)をはっきりさせる必要があります。集めたい求職者の職種・レベル・業務スキルによって求人サイトの構造・求職者を集める媒体を決めます。これは制作技術より求職者の集客・マーケティングの経験が重要だと思います。
求人サイトを作っても求職者が全く集まらなかった話も良く聞きます。求職者が集まらないのは求人サイトの構造と、求職者を集める媒体とその運用方法に問題があります。同じシステムの求人サイトを使っていても運用方法で求職者が集まらないケースもあります。
以前、会社規模を拡大するために求人サイト改修(求職者の登録母数拡大)の相談を受けたことがあり、最終的には他社に依頼してしまいましたが、その会社は大失敗をしてしまいました。後で聞いた話ですが、求職者が増えるどころか減ってしまったそうです。
失敗の理由は、改修する前からそこそこ登録がありましたが、なぜ登録が来ているか、その理由を理解していなかったことです。結果、既存の登録も減らし、改修効果も全くなかったそうです。
ペルソナが決まれば集客
集客にもいくつか種類があります。集める求職者によって、使う媒体との相性があり、制作してから媒体を考えるのではなくあらかじめ媒体を決めておく必要があります。
考え方は、求職者(職種・スキル・質など)→媒体→受皿サイト(求人サイト)の流れで考えます。
職種やスキルが明確になっていない人材はリスティングが向いています。例えば第2新卒・20代営業職・ハイスペック人材などはリスティング媒体で求職者を集め、受皿はLPもしくはステップ型登録サイトです。
資格・職種が決まっているのであれば「Indeed・Yahoo!しごと検索・求人ボックス」などの求人まとめ媒体を使い、1職種1ページ型の求人サイトが必要です。また、職種や社内コンサルタントのレベル、獲得したい求職者の人数によりまとめサイト媒体を選びます。
しかし、これは現在(2020年08月15日)の方法です。最適な方法は日々かわります。少し前であればIndeedの1強でした、しかしここにきてIndeedの仕様が変わり媒体選択に変化が起き始めています。
常に現状に合わせた媒体の選び方と自社求人サイトの使い方が変わってきます。

求人サイト(オウンドメディア)の理想のかたち
求人サイトは自社で情報発信ができるのでオウンドメディアの分類に入ります。結論からお話しすると理想のかたちは広告を使わないで無料(オーガニック)だけで必要な数の求職者を獲得することです。
しかし、まったく「ゼロ」はありえません。
Indeedは無料で人が集まるようなCMがありましたがあれは98%無理な話で、無料で採用できるのはプレミアムな求人か地域で全くライバルが募集をかけていない求人です。こういった求人はIndeedを使わなくても簡単に人が集まります。求人サイトを作ってまで採用・応募を取ろうと考える求人では100%無理な話です。
ただ、将来は広告30%、無料登録70%ぐらいまでは可能です。ただし、これは長期で考え、きれいな形(きれいなデザインではなくきれいな構造)で制作し、丁寧に運用していかなければなりません。しかし、短期で考えたり、短期で結果を出すという業者(広告代理店・制作会社)などを使うと不可能になります。
ビジネスだからと、短期・低価格だけで求職者獲得を考えてしまうと、よからぬものに引っかかってしまいます。

今うまくいっているから大丈夫?
現在、うまくいっていても絶対に続きません。
これは私が16年間、人材紹介のための求人サイトを自社で制作し、広告も自社で運用してきたからはっきり言えます。
Webは進化のスピードは秒進分歩といわれるぐらいが速く、最近は同じやり方は2年ももちません。
昔であれば、オーバーチュア(Overture)広告が検索連動型広告でした。それがYahoo!リスティング広告に変わり、今はYahoo!プロモーション広告になっています。
広告だけでなく「SEO」も考えていかなければなりません。
SEOも今うまくいっていても必ず変わりますし、短期的に考えてブラックSEOに手を出してしまうとせっかく求人サイトを育てても、ある日突然急降下してしまい、これまでの努力が水の泡になってしまうので、ホワイトSEOで考えていかなければなりません。
今年(2020年)で言えばIndeedの仕様変更とGoogleしごと検索の効果出てきたことが大きな出来事です。
そして未来ではまた、いろいろなことが発生するので常に変更に対応をしなければなりません。
そう考えると「ガチガチに固められた求人サイト」を高額で制作しても、2~3年で変化をもとめられるので向いていません。また大きなシステムで動くような求人サイトでは小さな変更、小回りが利かないので不向きです。

良きパートナーを!
人材の採用及び人材ビジネスでの人集めには求人サイト、いわゆるオウンドメディアがとても大切です。
また、求人サイトなどWeb制作技術だけでなくWebマーケティング、そしてWeb・媒体の変化についていくことがとても重要です。
そして理想としては広告に頼らない仕組み作りを考えていかなければいけません。常に新しい情報を取得しながら信頼できる情報がもらえるパートナーも必要になります。是非、このカスタマのナレッジルームを活用してトータル的な情報を得て自身のビジネスに生かしてください。