indeedのクローリングによる掲載終了

人材紹介・派遣会社・求人広告会社がほとんど使用しているindeedのクローリングサービスに掲載が2025年3月末によりサービスを終了してしまいます。

これは人材紹介・派遣会社・求人広告会社にとってとても大変な出来事です。また、indeedに依存度合いが高いほど大変です。このことについてお話させていただきます。

indeedのクローリングとは

indeedのクローリングとはどのようなサービスかはこの記事をご覧になっている方はご存じだと思いますがクローリングとは?

今更、聞けないかもしれませんが説明させていただきます。

indeedに求人情報を掲載するにはいくつかの方法があります。

1,indeedへの直接投稿

 これはindeedのサーバーにID・パスワードで求人を登録して掲載する方法です。

2、クローリング掲載

 既に自社の採用ページをお持ちの場合、そのページをindeedのシステムに連携させることで、求人情報の掲載を始めることができます。

求職者が掲載された求人情報をクリックすると、自動的に元の採用応募ページへ誘導される仕組みです。

クローリングとは、自社の採用ページや自社の求人サイトに掲載されている求人情報をindeedのシステムに自動的に取り込み、indeed上でもその求人を掲載する仕組みです。

この方法を利用すると、自社サイトで公開されている求人情報がindeed上でも自動的に反映されるため、手間をかけずに広範囲の求職者にアプローチすることが可能です。

ただし、クローリングによる掲載を行うためには、自社の採用ページや求人サイトに記載されている求人情報が、indeedの基準を満たしている必要があります。

具体的には、下記のような条件があります。

「クローリングによって求人情報をindeedに掲載するためには、以下の具体的な条件を満たす必要があります。

  • 実在する求人情報であること:掲載する求人が実際に存在し、虚偽の情報ではないことが重要です。
  • HTML形式での掲載:求人情報はHTML形式で掲載されている必要があり、PDFファイルやその他の形式ではクローリングが正しく行われません。
  • 応募導線の確保:求人情報には応募ボタンなどの明確な導線があり、求職者が簡単に応募できるようにする必要があります。
  • 必要な情報の記載:仕事内容、雇用形態、職種、勤務地、最寄駅、休日、勤務時間など、求職者が応募を検討する上で必要となる情報が詳細に記載されていることが求められます。
  • 1ページ1職種1勤務地での構成:求人情報のページは1職種、1勤務地ごとに分けられ、それぞれ専用のURLで構成されている必要があります。
  • 自社サイトのURLであること:求人情報ページは自社サイトのURLで直接公開されているものであり、他のサイトに転送される形式ではないことが求められます。
  • 会員登録なしで応募可能:求人情報の詳細閲覧や応募が、求職者が「ユーザー登録」などの会員登録をせずに行えるようになっている必要があります。
  • 無料での応募:求職者は、追加の料金を支払わずに応募できることが条件です。

これらの基準を満たしている場合、indeedのシステムは自動的に求人情報を読み込み、掲載することが可能となります。

indeedのクローリングサービスが終了

indeedのクローリングサービスが2025年3月末で終了することに伴い、現在のままでは自社の採用ページや求人サイトがindeedに自動的に掲載されなくなります。

この変更により、従来のクローリングを通じた求人掲載は不可能となり、求人情報がindeed上に表示されなくなる可能性があります。

しかし、この問題を解決する方法として『indeedエントリー』に対応することが挙げられます。

indeedエントリーとは、indeed内で用いられる応募フォームのことで、これを採用することで引き続きindeedに求人を掲載することが可能です。

簡単に言えば、これまでのように応募者を自社の採用ページに自動的に誘導するのではなく、indeedのプラットフォーム内で応募を完結させる仕組みです。

indeedでは、これまでも大小さまざまなアップデートが行われてきましたが、今回の変更は非常に大きなものであり、各企業の採用活動に大きな影響を与える可能性があります。

それでは、indeedエントリーに簡単に対応できるのでしょうか?実際には、皆様の自社の採用ページや求人サイトに対して改修作業が必要となります。

具体的には、まずXMLフィードを利用して採用・求人情報をindeedに連携する必要があります。

そして、そのフィードに対してindeedが指定するスクリプトを組み込むことで、indeedエントリーに対応した求人掲載が可能となります。

この改修には、依頼する制作会社やシステムによって異なりますが、概ね40万円以上の費用がかかると予想されます。

ただし、すでにそのような機能を持っているシステムやサービスを利用している企業の場合、低料金でindeedエントリーへの対応が可能な場合もあります

今回のアップデートは企業にとって重要なものとなるため、今後の採用戦略に大きな影響を与える可能性がありますので、早めの対応を検討されることをおすすめします。

indeedエントリーにについて詳しくはこちらをご覧ください。

indeedエントリー改修準備

indeedエントリーの改修に向けた準備がすでに進められており、indeedではすでにエントリー申込みや相談の受付を開始しています。

ただし、技術的な問い合わせについての回答には時間がかかる場合があります。

これは、今回のindeedエントリーへの連携システムの改修が主に海外のエンジニアによって行われているためです。

前回のATS(採用管理システム)とのindeed Plus対応時には、問い合わせが直接海外のエンジニアによって処理されたため、回答までに非常に長い時間を要しました。

今回は、日本担当者が海外のエンジニアとのやり取りに介入することで、多少スムーズに対応が進むことが期待されていますが、それでも一定の時間がかかる可能性があります。

しかし、既に仕様書が公開されており、経験豊富なエンジニアであれば、仕様書に基づいて問い合わせを行わずにindeedエントリーへの対応を進めることが可能です。

とはいえ、エンジニアリングの経験がない場合や、専門的な知識を持たない場合、この対応は非常に難しいものとなるでしょう。

今回の改修は多くの企業にとって重要なものであり、早期に対応することが求められます。

そのため、スムーズな対応を目指すためにも、実力のあるエンジニアや専門家と連携して、迅速に進めることが推奨されます。

indeedエントリーの対応ができない場合

自社にエンジニアがいない場合や、採用ページや求人サイトを制作した会社でindeedエントリー対応の改修ができない場合、さらに改修のための予算が不足している場合には、いくつかの代替方法があります。

1つ目の方法として、indeedエントリーに対応したATS(採用管理システム)を導入するという選択肢があります。ATSは、indeedエントリーと連携し、求人の管理や応募者の追跡をスムーズに行うことができるシステムです。

しかし、ATSを利用するためには、独自のシステムへの登録が必要であることに加え、システム使用料などの追加料金が発生する場合が多い点に注意が必要です。

2つ目の方法は、indeedの直接投稿機能に切り替えるという選択肢です。直接投稿とは、自社の採用ページや求人サイトを使わず、indeedのプラットフォーム内で求人情報を作成・掲載する方法です。

この場合、求人情報の作成や応募者管理もすべてindeed内で完結するため、専用のエンジニアや大規模なシステム改修を必要としません。

予算に制約がある場合は、indeedの直接投稿をおすすめします。直接投稿であれば、indeed内で求人情報を簡単に作成でき、比較的コストを抑えて求人を掲載することができます。

また、indeed上での応募管理も手軽に行えるため、小規模な企業や予算に限りがある企業には最適な方法です。

最終的にどちらの方法を選ぶかは、企業の状況やニーズに合わせて判断する必要がありますが、予算や技術的リソースが限られている場合には、まずは直接投稿から始めるのが現実的な解決策となるでしょう。

さらに、もし予算に余裕がある場合には、indeedなどと連携が可能で、技術力のある採用サイトや求人サイトにリニューアルすることもおすすめです。

特に、5年以上前に制作されたWEBページをお使いの場合、デザインが古くなっている可能性が高いため、最新のデザインに刷新し、同時にindeedエントリーに対応できるようにするのが効果的です。

ITやWEBの世界は日々進歩しており、現在では安価で優れたサービスが数多く提供されています。

そのため、最新の技術を取り入れた採用サイトや求人サイトを、予算に応じて合理的な価格で導入することが可能です。

実際に、採用や求人サイトを専門的に制作するサービスも充実しており、20万円程度で本格的なサイトを構築できるものもあります。

このようなサイトのリニューアルにより、デザイン性の向上だけでなく、機能面でも最新の技術を取り入れることで、求職者に対する印象をより良くし、採用活動を効率化することができるでしょう。

ATSとはどんなサービス?

一般的に採用管理システム(ATS)は、企業が採用プロセスを効率的に管理するためのサービスです。

ATSは、応募から採用までのプロセスを一元管理し、さまざまな採用業務を効率化することを目的としています。

主な機能

  • 求人管理: 複数の求人案件を簡単に作成・管理できる機能があります。これにより、外部の求人サイトに依頼することなく、自社サイトでの求人ページ作成が可能です。
  • 情報管理: 応募者の履歴書や情報を一元管理し、ペーパーレス化を実現します。応募者の属性や経歴をデータで管理することで、必要な情報を迅速に検索できます。
  • 選考管理: 面接の評価や進捗の管理を行い、選考過程を可視化します。これにより、面接スケジュールの調整や候補者への連絡が効率化されます。
  • 内定者管理: 内定通知や入社までのフォローを行い、内定者とのコミュニケーションをサポートします。
  • データ分析: 採用活動のデータを蓄積し、自動的に分析する機能があります。これにより、採用活動の改善点を見つけ出し、効率的な採用活動を推進できます。

メリット

  • 業務効率化: 採用プロセスの各段階を自動化し、手間を省くことで、採用担当者の負担を軽減します。
  • コスト削減: 外部求人媒体への依存を減らし、広告費を削減することができます。
  • 採用力の向上: 効率的な母集団形成やデータ分析により、優秀な人材を確保しやすくなります。
  • 情報の一元化: 採用に関わる情報を一元管理することで、属人化を防ぎ、チーム全体での情報共有が容易になります。

ATSは、採用業務を効率化し、質の高い採用活動を実現するための重要なツールとして、多くの企業で導入が進んでいます。

企業の規模や採用ニーズに応じて、適切なATSを選ぶことが重要です。

indeedのクローリング終了の理由

indeedのクローリングサービス終了の理由については、あくまで私の見解となりますが、ぜひご理解いただければと思います。

indeedはリクルートの子会社です。リクルートに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?

リクルートは、現在その売上の多くを海外市場から得ており、indeedの買収後、海外での派遣事業の成功やindeedの急成長によって、企業の中身が大きく変化してきました。

現在、リクルートホールディングスの代表取締役社長兼CEOを務めるのは出木場久征(いでこば ひさゆき)氏です。

彼はindeedの買収を主導した人物であり、現在もindeed本社があるアメリカに拠点を置いています。

リクルートでは、国内における利益率の向上や業務の効率化を目指しており、これは海外の株主からの要望にも基づくものです。

このような背景が、リクルート社内での大きな改革を促進しており、indeed Plusの導入や今回のindeedクローリングサービスの終了にも影響していると考えられます。

indeedのクローリング終了は、リクルートの事業戦略の一環であり、今後も海外市場を重視しつつ、日本国内での効率化を進めていく姿勢が反映された結果である可能性が高いと推測されます。

タウンワーク・とらばーゆ・リクナビネクストなどの掲載課金も終了

タウンワーク・とらばーゆ・リクナビNEXTなど、リクルートが運営する求人媒体の掲載課金が、2025年3月末をもって完全に終了することになりました。

これにより、今後リクルート媒体への求人掲載はすべてindeed Plusを通じて行われるようになります。

この変更は、前述のリクルートの改革方針の一環であり、2024年1月に発表されたリクルートの決算報告で、社長が言及していた内容が実際に反映された形です。

タウンワークやとらばーゆといった従来の媒体から、indeed Plusへの移行は、リクルートの経営戦略と効率化の流れに基づくもので、求人広告の掲載形態が大きく変わることとなります。

2025年3月末の猶予期間

2025年3月末でのクローリングサービス終了に伴い、一定の猶予期間は設けられていますが、indeedへの申請やAPIのID申込み、連携確認など、さまざまな手続きが必要となるため、実際の期限までに余裕があるわけではありません。

また、期限が近づくにつれて問い合わせが増加し、対応が混み合うことが予想されます。実際、すでに問い合わせに対する返信に時間がかかり始めている状況です。

そのため、なるべく早めに行動を開始されることを強くおすすめします。

まとめ

「indeedのクローリングによる掲載終了」に関して、2025年3月末をもってサービスが終了することが正式に決定しました。

この変更により、従来のクローリングによって自動的にindeedに求人情報を掲載していた企業は、今後その方法で求人を掲載できなくなります。

今回のクローリング終了は、リクルートグループ全体の業務効率化や利益率の向上を目指す大きな戦略的改革の一環として実施されるものです。

企業にとっては、求人掲載の方法を見直すタイミングとなります。

indeedエントリーやATS(採用管理システム)への移行が求められる中、システムの連携やサイトの改修が必要となる場合があります。

特に技術的な対応には時間がかかることが予想されるため、早めの準備と対応が不可欠です。

これらの変化に迅速に対応するためには、各企業が自社の採用戦略を再評価し、新しい環境に適応するための準備を早急に行うことが重要です。

すでに問い合わせや申請の処理が混み合っているため、対応が遅れると余計な時間がかかる可能性もあります。

クローリング終了後のスムーズな求人掲載を確保するためにも、今のうちに具体的な行動を開始されることを強くおすすめします。

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