こちらは、採用活動がうまく進まず、人材不足に悩む企業が増えている中で、テレビCMなどでおなじみの「Indeed」(インディード)をよく目にします。
その「Indeed」には、応募者が簡単に応募できる「Indeedエントリー」という機能があります。
また、indeedのクローリングサービスによる掲載方法が2025年3月末によりサービスを終了し、Indeedエントリー1本になります。今回は、この「Indeedエントリー」について詳しくご紹介いたします。
Indeedエントリー(インディードエントリー)とは?
「Indeedエントリー」とは、求職者が最短で応募できる、いわゆる応募フォームのことです。
応募までに時間がかかると、入力の途中で諦めてしまう求職者が多い傾向にあります。
そこで、Indeedエントリーでは、事前にIndeedに登録された情報を使って、入力の手間を省き、応募の離脱を防ぐ仕組みが採用されています。
この機能は、求人ページのクリック数から応募に至る割合(応募率)を直接高める効果が期待できます。
Indeedエントリーの強み(つよみ)
最短で応募でき、求職者に対して心理的な優位性
Indeedの最大の強みは、求職者が最短で簡単に応募できることです。
現在(2024年9月)、一部の求人ではIndeedエントリーを使わずに、Indeed以外の採用サイトや求人サイトに飛んで、そこで応募や問い合わせをするケースもあります。
しかし、この方法は手間がかかるため、求職者が途中で応募をやめてしまう可能性があります。
Indeedはアグリゲーション型の求人サイトなので、同じ求人が複数表示されることがありますが、他の応募ページで新たに名前や住所などの個人情報を入力するよりも、Indeedエントリーを利用して、すでにIndeedに登録された情報を使って応募できる方がスムーズです。
また、求職者は別のサイトで個人情報を入力することに抵抗があるため、Indeedエントリーの利便性が一層際立ち、求職者に対して心理的な優位性があります。
求人が上位に表示、さらに目立つようになる
Indeedエントリーを採用している求人は、採用していない求人よりも検索結果で上位に表示される傾向があります。
これは、求職者にとってIndeedエントリーの方が簡単で使いやすく、便利だと考えられるためです。
Indeedのミッションステートメント「We help people get jobs」(私たちは人々の就職を支援します)にもある通り、求職者ができるだけ負担を感じずに、適切な仕事に応募できるようサポートすることがIndeedの目標です。
そのため、Indeedエントリーを採用している求人が上位に表示されるのは自然なことです。
また、Indeedエントリーには「カンタン応募」という表示があり、一部の求人では「高返信率」などのラベルも付いているため、信頼できる求人というイメージを持たせる工夫もされています。
応募数をアップかマインドの高い求職者を集めるか
IIndeedエントリーには、2つの応募方法があります。「履歴書添付任意」と「履歴書添付必須」のどちらかを選ぶことができます。
「履歴書添付任意」に設定すると、求職者は名前やメールアドレスなどの基本情報だけで応募できるため、応募のハードルが低くなり、応募数を増やすことが目的となります。
一方、「履歴書添付必須」に設定すると、応募数は減るかもしれませんが、より本気度の高い求職者からの応募が期待できます。
履歴書添付任意の利用方法
この応募方法の最大のメリットは、求職者の負担を大幅に軽減できるため、応募数の増加が期待できる点です。
特に、人材紹介事業では「履歴書添付が任意」の設定が適しています。
なぜなら、人材紹介事業では求職者の数を確保することが重要であり、専門のコンサルタントが面接や電話で詳細な情報を聞き出すことができるからです。
履歴書だけでは判断が難しい場合も多いため、結局は同じプロセスになることが多いのです。
また、短期アルバイトの大量募集や急いで人を集めたい場合にも、この方法は有効です。
さらに、まずは応募数を増やしたい場合や、経験やスキルを問わない未経験者をターゲットにする場合にも効果的です。
履歴書添付が必須の応募方法
履歴書の提出を求める応募方法です。企業が求職者に対して追加の質問項目を設定している場合、履歴書の提出に加え、その質問にも回答する必要があります。
「履歴書添付が任意」の応募方法と比べると、応募者に手間がかかるため応募数は減る傾向にあります。
しかし、履歴書と企業側の質問への回答を応募時に確認できるため、企業は選考をスムーズに進められ、採用スピードが向上します。
この方法は、経験者や正社員の募集、採用条件が厳しい求人などで特に効果的です。企業は、自社に合った人材を効率的に見極めることができ、迅速な対応が可能となります。
Indeedエントリーを適用させる方法
Indeedエントリーを適用させる方法は、これまで2つでしたが、現在は3つに増えています。
1つ目は、IndeedのJobボードから求人情報を直接登録する「直接投稿」です。
2つ目は、Indeedエントリー対応のATS(応募者管理システム)を利用する方法です。
そして3つ目は、自社の採用サイトや求人サイトをIndeedエントリーに対応させる方法です。
この3つの方法を活用することで、Indeedエントリーを効果的に適用できます。
直接投稿について
Indeedに申込、アカウントを作成しIndeedに直接求人情報を登録を行うことです。この方法が一番シンプルな方法です。
この方法で求人を掲載すると、自動的にIndeedエントリーが適用されます。
直接投稿メリット
「直接投稿」は、Indeedが指定するフォーマットに沿って求人情報を入力し、公開するシンプルな方法です。
この方法を利用すると、自動的にIndeedエントリーが適用されます。また、人材紹介業の求人を除き、求人情報がIndeedPLUSにも掲載されます。
直接投稿デメリット
「直接投稿」を利用すると、求人情報がIndeedPLUSに自動的に掲載されるため、IndeedPLUSに掲載させたくない場合でも回避することはできません。
また、Indeedの求人登録フォームは頻繁に変更されることがあり、バグやエラーが発生することもあります。
こうしたトラブルが起きた際、Indeedに問い合わせても、対応に時間がかかることが多い点には注意が必要です。
Indeedエントリー対応のATSについて
Indeedエントリーを利用する方法の1つに、Indeedと連携したATS(採用管理システム)を利用する方法があります。
この方法を使えば、Indeedエントリーを適用することが可能です。ただし、すべてのIndeed連携ATSがIndeedエントリーに対応しているわけではありません。
現在使用しているATSや導入を検討しているATSに、この機能があるかどうかを事前に確認することが重要です。
Indeedエントリー対応のATSのメリット
Indeedエントリー対応のATSを利用すると、求人情報が自動的にIndeedに掲載されるため、クローリングの依頼が不要になります。
ただし、人材紹介業や求人広告系のビジネスでは、ATSからIndeedに求人を掲載するのが難しいケースが多く見られます。
一方で、直接採用を行う企業でまだ採用管理ツール(ATS)を導入していない場合は、コストがかかりますが、便利なツールとなるため、検討する価値があるかもしれません。
Indeedエントリー対応のATSのデメリット
Indeedエントリー対応のATSを利用するには、求人情報をそのATSに登録する必要があります。すでに他の求人サイトやシステムで管理を行っている場合、手間が二重になってしまう可能性があります。
また、ATSの利用には費用がかかることが一般的です。
特に、人材紹介業などの人材ビジネスではATSの利用があまり適さないこともあるため、広告のみの利用を考えている場合は、別の方法を検討する方が良いかもしれません。
採用求人サイトにIndeedエントリー対応させる方法について
現在使用している採用サイトや求人サイトに、Indeedエントリーを対応させることが可能です。
これは、既存のサイトにIndeedエントリー対応のスクリプトを追加し、XMLフィードを通じて連携することで実現できます。
自社で開発を行っている場合は、「Indeedエントリーfeed対応方法の仕様書」ガイドを参考にして、スムーズに対応が可能です。
もし、他社が開発したCMS型サービスを利用している場合は、その制作会社に問い合わせて、Indeedエントリー対応ができるか確認しましょう。
中には、対応できない制作会社が、対応可能なATS(採用管理システム)を勧めてくるケースもありますので、しっかりと調査した上で対応を進めることが重要です。
採用求人サイトにIndeedエントリー対応させるメリット
現在使用している採用求人サイトをIndeedエントリーに対応させることで、入力や管理に余計な手間や費用をかけることなく運用できるメリットがあります。
直接投稿やIndeedエントリー対応のATSを利用する場合、それぞれに独自の使い方やルールがあるため、管理が複雑になることもあります。
しかし、採用求人サイトで一元管理しながらIndeedに求人を掲載できるようにすれば、作業がスムーズになり、今までの運用を維持できる点が大きな利点です。
採用求人サイトにIndeedエントリー対応させるデメリット
Indeedエントリーを採用求人サイトに対応させることは、手間がかかる場合があります。社内制作で対応できる場合は挑戦する価値がありますが、中にはCMSのデータベースを専門の制作会社が管理し、見た目だけ自社で運用しているケースもあります。
そういった場合、他社のサーバーと自社のシステムを連携させるために、高度な開発や技術が必要となり、対応が難しくなることもあります。
さらに、Indeedエントリーを導入すると、求職者が自社の採用求人サイトに直接訪れる機会が減る可能性もあるため、労力に対して十分なメリットを感じないかもしれません。
まとめ
Indeedエントリーは、Indeed専用の応募フォームで、求職者が最短で応募できるよう工夫された機能です。
2025年3月末をもって、クローリングによる掲載サイトの応募フォームは利用できなくなるため、Indeedエントリーのメリットやデメリットを理解しておくことが重要です。
日本では人材の確保が難しくなっている中で、Indeedの利用は不可欠となっています。
Indeedを効果的に活用するための方法を熟知することは、採用活動において非常に大切です。この記事を参考にして、日々の採用活動にお役立てください。