「プレスリリースは求人サイトのSEO対策に効果があるのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
このテーマは意見が分かれることもあり、SEO対策に関する記事によってもさまざまな見解が存在します。
結論から言えば、「被リンク」だけを目的としたSEO対策としては、プレスリリースはほとんど効果が期待できません。その理由の一つに、GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏が挙げられます。
彼は、YouTube上で「プレスリリースは広告と見なされるため、そのリンクにはSEO効果を無効化するnofollowタグを付けるべき」と述べています。
実際、多くのプレスリリース配信サービスではこの「nofollowタグ」が標準的に設定されており、直接的なSEO効果は得られない仕組みになっています。
では、「プレスリリース=SEO対策には効果がない」と断言してしまって良いのでしょうか?実は、SEO以外の側面や間接的な効果を考慮すると、プレスリリースにも一定の価値が見出せます。
目次
nofollowタグとは
nofollowタグとは、リンクを検索エンジンのクローラーが「フォローしないように」と指示を出すためのHTML属性値の1つです。
具体的には、Webページ内に設置された特定のリンクやすべてのリンクをたどらないように促します。
以前は、このタグを使うことで「クローラーにリンクをたどらせない」という直接的な命令を出していました。
しかし、2019年9月以降、この仕様は変更され、現在では「リンクをたどらない意思表示」をするだけとなり、実際にたどるかどうかは検索エンジンの判断に委ねられるようになっています。
nofollowの役割とは?
nofollowタグが誕生した背景には、「リンク評価の不正な受け渡しを防ぐ」という明確な目的があります。たとえば、以下のような状況を想定したものです
- 低品質なWebサイトや関連性の低いWebサイトへのリンク防止
ユーザーが投稿する口コミサイトやコメント欄、Wikiなどのユーザー作成コンテンツでは、管理者の意思・意図に関係なくリンクをつけられる場合があります。 - 広告リンクの管理
広告として掲載されたリンクは、Webサイト運営者がリンク先の信頼性を完全に保証できないケースがあります。こうした場合にもnofollowタグが使われます。
検索エンジンは、Webサイト上に設置されたリンクをもとに、リンク先の関連性や信頼性、専門性、権威性を評価します。
そのため、高品質なリンクの受け渡しが行われると、リンク先の検索順位が向上し、逆に低品質なリンクを貼ることで自サイトの評判が損なわれるリスクもあります。
たとえば、不正な手法で多くの被リンクを集めた低品質なWebサイトが検索結果の上位に表示されるような状況が続くと、検索エンジンの信頼性が損なわれ、ユーザーが満足できなくなる可能性があります。
こうしたリスクを回避するためにnofollowタグが重要な役割を果たしているのです。
nofollowリンクと通常リンクの違い
nofollowタグを設定したリンクと通常のリンクには、以下のような違いがあります。
通常のリンク
検索エンジンのクローラーがリンクをたどり、リンク評価を受け渡します。この評価によって関連性や信頼性が高いと判断されると、リンク先のSEO効果が向上します。
nofollowリンク
nofollowが設定されているリンクでは、リンク評価の受け渡しが行われません。そのため、SEO効果は期待できません。
ただし、リンクそのものが無効化されるわけではなく、見た目やクリックの動作に違いはありません。リンクをたどってサイトにアクセスすることは可能です。
SEO対策=被リンク(フォローされたリンク)だけなのか
プレスリリースがSEOに与える間接的な効果とは?
「SEO対策=被リンク(フォローされたリンク)」と考える方も多いかもしれません。確かに、外部要因としてのSEO対策において被リンクは重要です。
しかし、この考え方はSEOがまだ初期段階にあった頃のものです。
現在のSEO対策では、被リンクだけではなく、訪問者数の増加やブランド認知度の向上といった要素も重要視されています。
これらの要素が強化されることで、間接的に被リンクを獲得できる可能性が高まります。
プレスリリースがもたらす間接的な被リンク効果
プレスリリースを配信することで、自社サイトへの訪問者が増え、その中のユーザーが興味を持ってコンテンツを他のWebサイトやSNSで共有すれば、結果的に被リンクとしての効果が期待できます。
これは単にnofollowタグの有無に左右されない、間接的なSEO効果です。
また、プレスリリースによって求人サイト、サービス、イベント情報が広まると、SNSで拡散されたり、他のWebサイトで内容について言及されたりすることがあります。
さらに、引用や言及がポジティブなものであれば、検索エンジンが評価する「サイテーション」としてもSEO効果を得られる可能性があります。
プレスリリースの価値を再認識しよう
このように、プレスリリースは直接的なSEO効果が薄いと言われる一方で、間接的な形でSEO対策に寄与する可能性があります。
単なるリンクの効果だけではなく、認知度の向上やコンテンツ拡散を狙ってプレスリリースを活用することが、長期的なSEO成功の鍵となるでしょう。
プレスリリースが求人サイトにもたらす効果とは
求人サイトが定期的に配信するプレスリリースを活用することで、以下のような効果が期待できます
メディア露出の増加
プレスリリースがメディアに取り上げられることで、求人サイトの存在を広く知らしめることができます。これにより、求職者だけでなく、企業の人事担当者にも認知されやすくなります。
検索エンジンでの表示順位向上
プレスリリースがウェブ上で公開されることで、検索エンジンでの求人サイトの表示順位が向上する可能性があります。これにより、求職者が求人サイトを見つけやすくなります。
ユーザー獲得
求職者の増加
プレスリリースを通じて求人サイトの特徴や強みを伝えることで、興味を持った求職者の登録を促進できます。
企業の掲載増加
求人を出したい企業に対しても、サイトの魅力や効果をアピールすることで、掲載企業数の増加につながる可能性があります。
信頼性の向上
第三者による客観的な評価
メディアに取り上げられることで、第三者による客観的な評価を得られ、サイトの信頼性が向上します。
業界内での地位確立
プレスリリースを通じて業界内での存在感を示すことで、求人サイト業界内での地位を確立しやすくなります。
差別化
独自の特徴のアピール
プレスリリースで求人サイトの独自機能や特徴を強調することで、競合他社との差別化を図ることができます。
ターゲット層への直接的アプローチ
特定の業界や職種に特化した機能をプレスリリースで紹介することで、ターゲットとする求職者や企業に直接アピールできます。
新機能やサービスの告知
迅速な情報発信
新機能やサービスの追加時にプレスリリースを活用することで、迅速に情報を発信し、ユーザーの関心を高めることができます。
サイトの進化をアピール
定期的なプレスリリースにより、サイトが常に進化し改善されていることをアピールできます。
プレスリリースを効果的に活用することで、WEB求人サイトの認知度向上、ユーザー獲得、信頼性の向上など、多面的な効果が期待できます。ただし、プレスリリースの内容や配信のタイミングを戦略的に考える必要があります。
プレスリリース方法について
求人サイトのプレスリリース方法について、以下の手順でご説明いたします。
プレスリリースの準備
目的とターゲットの設定
プレスリリースの目的を明確にし、ターゲットとなる読者層を決定します。性別、年齢、職業、趣味嗜好などの属性を考慮し、ユーザーニーズに合わせたアプローチを計画しましょう。
ネタの選定
求人サイトに関連する検索キーワードや新機能、大規模なアップデート、ユーザー数の達成など、ニュース性のある話題を選びます。
原稿の作成
プレスリリースの構成は以下の要素を含めます
- 発信日・発信者
- タイトル・見出し
- 写真やスクリーンショット
- リード文
- 本文
- 問い合わせ先
配信方法
プレスリリースの配信には主に3つの方法があります
自社でオウンドメディアを利用して作成する(直接配信)
これは閲覧してくれる方がかぎりがあり、単独ではほとんど効果がありませんが配信サービスを利用しても用意しておくとよいです。
プレスリリースごとに適切なお問い合わせメールアドレス、電話を入れておく
プレスリリース配信サービスの利用
多くのメディアに一度に配信可能
著名なWEB媒体への掲載も期待できる
費用は1回の配信で約3万円程度(無料もあるがほぼ期待できない)
PR会社や広告代理店への委託
広報のプロに一任することで、社内リソースを他の業務に集中できる
広報戦略の立案から効果測定まで幅広いサポートが得られる
かなり割高になります、特に内容まで考えてもらうと
プレスリリース作成のポイント
効果的なプレスリリースを作成するために、以下のポイントに注意しましょう
- タイトルは簡潔に
- 専門用語や略語は極力避ける
- 本文は事実に基づき、結論から記載
- 問い合わせ先や会社概要を明確に記載
- 適切な写真やグラフを活用
- 最上級表現は控えめに
以上の手順とポイントを押さえることで、求人サイトのプレスリリースを効果的に行うことができます。プレスリリース配信サービスの利用は、特にまだ、知られていないサービスを定期的にプレスリリースを配信することにより効果がでてきます。
プレスリリース配信サービスと料金(利用社が多いメジャー)
PR TIMES
特徴: 国内最多の配信件数を誇り、上場企業の43%以上が利用。200以上のメディアと提携し、SNSを使った配信も行っています。
料金: 詳細な料金情報は公開されていませんが、配信件数やオプションによって異なる可能性があります。
valuepress
特徴: 中小企業に人気で、11,000件以上のメディアリストを持ち、最大1,000名の記者へ配信可能。プロによる原稿作成や添削も提供。
料金: 比較的安価で利用しやすいとされていますが、具体的な料金は公開されていません。
ツナググ
特徴: 無料で利用可能なプレスリリース配信サービス。毎月3配信までは無料で利用可能。
料金: 無料(オプションで追加機能を利用する場合は有料)
PR TIMESの料金プランについて
主な料金プラン
従量課金プラン
1配信あたり3万円(税別)
基本料金や月額費用は発生せず、配信ごとに料金が発生します3
月間契約プラン
月額8万円(税別)
1ヶ月間で最大30件まで配信可能
半年間契約プラン
月額7.5万円(税別)
6ヶ月間、毎月30件まで配信可能
年間契約プラン
月額7万円(税別)
1年間、毎月30件まで配信可能
追加料金について
すべての定額制プランにおいて、月間31件以上の配信を行う場合は、4万円の追加料金が発生します。
プラン選択のポイント
月に2〜3回以上の利用がある場合は、月間契約プランが適しています2。
定期的に月2〜3回以上の利用がある場合は、半年間または年間契約プランがお勧めです。
年間を通して広報PR活動に注力したい企業には、年間契約プランが最もお得です。
PR TIMESは、企業の配信ペースに合わせて柔軟に料金プランを選択できるようになっています。自社の配信頻度やプレスリリースのスケジュールを考慮し、最適なプランを選ぶことが重要です
valuepressの料金プランについて
主な料金プラン
エコノミー(従量課金プラン)
1配信あたり30,000円(税抜)
単発で配信を希望する顧客向け
記者1,000名と提携するサイトへプレスリリースを配信
スタンダード(定額制継続課金プラン)
30日ごとに35,000円(税抜/自動更新)
最も人気のあるプラン
配信回数無制限
原稿作成サービス付き(回数制限なし)
ビジネス(定額制継続課金プラン)
30日ごとに70,000円(税抜/自動更新)
スタンダードプランの機能に加え、希望の10媒体へ記事掲載をフォロー
フリー(お試し配信)
0円(税抜)/ 1配信(単発)
無料でvaluepressへの掲載とメディア20媒体へプレスリリースを配信
各種機能(ファイル添付、効果測定など)に制限あり
プラン選択のポイント
スタンダードプランは、エコノミー(単発配信)+5,000円で配信回数無制限となり、コストパフォーマンスが高いです。
継続的なプレスリリース配信が必要な場合は、スタンダードまたはビジネスプランがおすすめです。
メディアへの個別コンタクトを重視する場合は、ビジネスプランが適しています。
追加オプション
原稿作成サービス
10,000円(税抜)
24時間以内に専任ライターが原稿を作成
プレゼントパブリシティ(プレハブ)コーナー掲載獲得
25,000円〜(税抜)
成功報酬型
TV番組への追加リリース送付
5,000円(税抜)
情報系テレビ番組を中心にFAXでプレスリリース配信
記者への個別コンタクト
45,000円(税抜)
定額制継続課金プランユーザー限定オプション
ビジネスプランでは無料
valuepressは、企業のニーズや配信頻度に合わせて柔軟に料金プランを選択できるようになっています。自社の広報戦略や予算に応じて最適なプランを選ぶことが重要です
ツナググの無料配信について
配信回数の制限
毎月3回まで無料で配信可能です。
一部の情報では毎月2回までとされていますが、最新の情報では3回までに拡大されたようです。
追加配信の料金
3回を超える配信は、1配信につき4,900円の料金がかかります。
配信先の制限
無料版では配信先のメディア数が限られている可能性があります。
機能の制限
有料サービスと比べると、一部の機能が制限されている可能性があります。
SNS配信オプション
SNSアカウントへの自動配信は、4,900円のオプションサービスとなっています。
配信タイミング
突発的なPR案件や誤りの修正に柔軟に対応することが難しい可能性があります。
申請内容の直接配信
申請フォームに入力した内容がそのままプレスリリースとして配信されるため、入念なチェックが必要です。
これらの制限を考慮すると、ツナググの無料配信は、コストを抑えたい企業や個人事業主、スタートアップ企業にとって有用ですが、頻繁にプレスリリースを配信する必要がある場合や、より広範囲なメディアへの配信を希望する場合は、有料サービスの検討も必要かもしれません。
その他のプレスリリース配信サービスの料金についてもご説明。
アットプレス
価格: 33,000円(税込)〜65,780円(税込)/1配信
チケット制あり
メディアリスト: 12,000以上、320〜400件に配信
提携メディア: 約70〜80媒体
DreamNews(ドリームニュース)
価格: 16,500円(税込)/月
配信: 本数無制限
メディアリスト: 7,000件以上、5カテゴリー選択して抽出
提携メディア: 36媒体
Digital PR Platform
具体的な料金は記載されていませんが、大手外資系企業も利用実績があり、業界初の機能を複数搭載しています。
プレスリリースの既読率測定機能や最適なメディア選定機能など、最先端技術を活用しています。
CLOUD PRESS
料金情報は提供されていませんが、有料のプレスリリース配信サービスの一つとして挙げられています。
WEB PR
完全無料でプレスリリース配信を行うことができます。
SEO対策サービスも提供しています。
カテゴリ登録、商品・サービス宣伝のサポートも無料で行っています。
DIRECT PRESS(ダイレクトプレス)
無料で掲載可能ですが、配信前に審査があります。
掲示板のようなレイアウトで、画像掲載はできません。
ハーモニープレス
ブログ型の投稿で、企業や個人を問わず自由にプレスリリースを出すことができます。
料金情報は提供されていませんが、無料サービスの可能性があります。
これらのサービスは、それぞれ異なる特徴や強みを持っています。企業のニーズ、予算、配信の頻度などに応じて最適なサービスを選択することが重要です。
まとめ
プレスリリースは、直接的にSEOに効果をもたらすわけではありません。多くの場合、リンクにはnofollowタグが設定されているため、検索エンジンのアルゴリズムに直接的な影響を与えることは少ないのです。
しかし、プレスリリースが話題となれば、被リンクやサイテーションが自然発生する可能性があります。これにより、間接的にSEO対策としての効果を期待することができます。
さらに、SEOに効果的な文章構成やキーワードを意識したプレスリリースを作成すれば、その効果をより高めることができるでしょう。
現在、多くのプレスリリース配信サービスが存在しています。それぞれのサービスには特長があるため、自社に合ったものを選び、積極的に活用してみてください。
プレスリリースを上手に使うことで、求人サイトのサービスや特徴の認知度を大きく向上させるチャンスが広がります。効果的な活用法を模索しながら、自社の成長につなげていきましょう。