Indeed PLUS(インディードプラス)とは?特徴や活用メリットを解説
Indeedが新たに開発した「Indeed PLUS(インディードプラス)」は、2024年1月30日より提供が開始されました。この新機能は、企業の採用活動において大きな注目を集めています。
特に、2025年4月1日をもってリクルート系の求人メディアからの直接掲載が終了したことにより、Indeed PLUSの重要性はさらに高まっています。企業が採用活動を進める上で、このサービスの仕組みやメリットを理解しておくことが求められます。
Indeed PLUSの導入により、リクルート系の求人メディア以外にも求人情報が掲載されるため、より多くの求職者にアプローチできるようになります。これにより、自社に適した人材と出会える可能性が高まることが期待されます。
また、Indeedは今後、リクルート系求人サイト以外の連携求人メディアをさらに拡充すると発表しており、求人掲載の選択肢が広がることが予想されます。
Indeed PLUSの仕組みは?
Indeed PLUS(インディードプラス)は、企業と求職者のマッチングをより効率的にするために、リクルートがIndeedを通じて導入した新しい求人配信プラットフォームです。
Indeedは、求職者を集める力が業界トップクラスを誇ります。そのIndeedに加え、リクナビNEXT・タウンワーク・とらばーゆ・はたらいくといったリクルート系の求人メディアの求職者が会員化されることで、これまでにない規模の求職者データベースが形成されることになります。
Indeed PLUSの広がる影響力と提携求人サイト
Indeed PLUSを活用することで、国内の主要な求人サイトを利用する求職者のうち、最大70%にリーチできるとリクルートが発表しています。これは、企業にとってより幅広い人材と出会う機会が増えることを意味し、採用の可能性を大きく広げるものです。
また、最近(2024年12月)では北海道の「しゅふきた」がIndeed PLUSと連携。リクルート系求人メディアとは異なる形ではありますが、今後もエリア特化型や職種特化型の求人サイトが次々と連携していくことが予想されます。こうした動きにより、求職者の多様なニーズに対応しやすくなるだけでなく、企業側もよりターゲットに合った求職者へアプローチしやすくなるでしょう。
リクルートは市場のリサーチを徹底し、的確な戦略で業績を伸ばしてきた企業です。Indeed PLUSにおいても、その強みを活かしながら提携求人サイトを増やし、より多くの企業と求職者のマッチングを実現していくことが期待されます。
2025年3月15日現在のIndeed PLUS提携求人サイト一覧
Indeed PLUSに連携している求人サイトは、以下の通りです。(今後も順次追加予定)
- Indeed
- リクナビNEXT
- タウンワーク
- フロム・エー ナビ
- はたらいく
- とらばーゆ
- リクナビ派遣
- 求人ジャーナルネット
- ディースターNET
- 物流・ドライバー求人サーチ
- しゅふきた
今後の動向にも注目しながら、採用活動においてどのように活用できるかを考えていくことが重要になりそうです。
Indeed PLUSの採用力と市場の変化に対応する戦略
Indeed PLUSを活用する企業の最大の目的は「優秀な人材の採用」にあります。しかし、どの求人サービスを利用すれば理想の人材と出会えるのか、採用担当者にとっては大きな課題となるでしょう。
現在の日本の雇用市場は、完全な売り手市場が続いており、特に若手人材の確保が厳しい状況です。この10年間、日本の労働人口はほぼ横ばいですが、これはシニア層や女性の労働参加率が上昇し、全体の労働力を支えてきたためです。しかし、すでにその伸びも限界に達しつつあり、人手不足の深刻化が避けられない状態になっています。
では、企業はこの状況の中でどのような採用戦略をとるべきなのでしょうか?
人材を集める力=強力なマーケティング戦略
求職者が集まる場所は、テレビCMやインターネット広告、SNSなど、大規模なプロモーションを展開するプラットフォームに集中する傾向があります。こうした視点で考えると、やはりリクルートの求人ネットワークの影響力は圧倒的です。
特にIndeed PLUSの仕組みは、リクルートの不動産情報サイト「SUUMO(スーモ)」に似ています。SUUMOは、もともと「住宅情報ナビ」や「賃貸情報サイト」など複数のサービスが分かれていたものを一つに統合することで知名度を高め、業界の主要ブランドへと成長しました。同じように、Indeed PLUSもリクナビNEXT・タウンワーク・とらばーゆ・はたらいくなど11の求人サイトと提携し、求職者が集まる強力なプラットフォームへと進化しています。
このような背景を踏まえると、Indeed PLUSのマーケティング力は今後さらに強化され、多くの企業にとって欠かせない採用ツールとなるでしょう。人材確保がますます困難になる中、Indeed PLUSをうまく活用することが、採用成功の鍵を握るかもしれません。
Indeed PLUSの一元管理機能とAIによる最適化
採用活動において、管理業務の効率化は企業にとって重要な課題です。特に積極的に採用を進める企業では、ATS(採用管理システム)やSalesforceのようなCMSを活用し、採用担当者の業務を最適化するケースも少なくありません。こうしたツールの導入にはコストがかかるものの、効果的な運用ができれば採用効率を大幅に向上させることが可能です。
Indeed PLUSでは、さまざまな連携求人サイトに自動で掲載される仕組みが特徴ですが、それに加えて、管理画面上で掲載データを一括管理できる機能も大きなメリットの一つです。
AIが最適な掲載戦略をサポート
これまで、複数の求人メディアに掲載する場合、各メディアのデータを比較しながら予算の配分を検討する手間が発生していました。しかし、Indeed PLUSではAIが自動で最適な求人メディアを選定し、予算に応じた効果的な掲載を行います。そのため、企業側で個別に調整する必要がなく、より合理的な運用が可能になります。
例えば、「タウンワークだけに掲載したい」といった特定の媒体を指定することはできませんが、AIが求職者の動向や予算をもとに最も効果的な掲載プランを選んでくれるため、結果として最適な求人戦略が実現されます。
また、従来は歩留まりの分析や求人原稿の効果検証を行うために、各メディアのデータを手作業で集計する必要がありました。しかし、Indeed PLUSを利用すれば、IndeedまたはIndeed PLUS対応のATS管理画面上で一元的にデータを確認できるため、データに基づいた迅速な意思決定が可能になります。
Indeed PLUSの導入により、企業の採用活動はより効率的かつ戦略的に進められるようになるでしょう。
Indeed PLUSの掲載料金とクリック課金の仕組み
Indeed PLUSを利用するにあたり、各求人サイトごとの掲載費用は発生せず、個別の予算設定も不要です。基本的には、Indeedのスポンサー求人(有料オプション)と同じクリック課金方式が適用され、これによりIndeed PLUSの連携求人サイトにも表示される可能性があります。
クリック課金の仕組みと掲載条件
Indeed PLUSの連携求人メディアに配信されるためには、求人が審査基準を満たしていることが前提となります。審査に通らなければ掲載されないため、事前に必要な情報を適切に入力することが求められます。
特に、Indeed PLUSの導入後、Indeedへ直接投稿する場合も、以下の追加情報の入力が必須となりました。
- 固定残業の有無と詳細情報
- 勤務形態の明確な表記
- 平均所定労働時間
- 社会保険の適用有無
- 試用期間の有無と詳細情報
- 受動喫煙に関する記載
- 採用予定人数
- 採用までの希望日数
これらの項目は、一部Indeed独自のルールも含まれていますが、基本的には労働基準法に基づいた情報提供であり、求人掲載の透明性を高めるために必要な要素です。ただし、この変更により、人材紹介会社が従来のIndeed直接投稿を利用する際に手間が増えたという声もあります。
IndeedやIndeed PLUSは、企業が直接採用を行うことを前提としたサービスという印象が強く、採用支援を行う人材紹介事業者にとっては、新たな対応が求められる状況になっています。
Indeed PLUSの掲載の最適化
Indeed PLUSでは、AIが最適な掲載先を判断し、配信を自動的に最適化します。そのため、すべての連携求人サイトに掲載されるわけではなく、単一のサイトにのみ掲載される場合もあります。また、掲載対象となる求人サイトや掲載可能なタイミングは、今後変更される可能性があるため、最新の情報を確認しながら運用することが重要です。
Indeedのスポンサー求人とクリック課金方式
Indeedの求人広告には、スポンサー求人(有料広告)と呼ばれるクリック課金型の仕組みがあります。以前は無料掲載と有料掲載の違いが明確でしたが、現在はその区別がなくなり、どのように掲載されるかはIndeedのアルゴリズムによる最適化に依存しています。
クリック課金の計算方法
Indeedのスポンサー求人は、クリックされるたびに料金が発生する仕組みです。具体的には、以下の計算式で費用が決まります。
1クリック当たりの料金(クリック単価) × クリック数 = 総費用
例えば、
- クリック単価100円 × クリック数200回 = 20,000円
このように、クリックされた分だけ費用が発生するため、無駄なコストがかかりにくい仕組みになっています。また、初期費用や成果報酬型の料金は不要ですが、代理店経由で運用する場合は別途「運用費」が発生することがあります。
クリック単価の決定方法
かつてはクリック単価を入札制で設定できましたが、2022年7月に廃止され、現在はAIが最適な単価を自動調整する仕組みに変わりました。企業は期間と予算を設定するだけで、AIが最も効果的な掲載を行うように調整してくれます。
また、予算を設定することで費用の急激な高騰を防ぐことが可能です。クリック数が増えすぎて予算オーバーになるリスクを抑えつつ、ターゲットに対して効率的に求人を届けられるようになっています。
Indeed PLUSの料金体系やクリック課金の仕組みを理解し、適切に運用することで、採用成功率を高めることができるでしょう。